2008年07月08日

子どもたちと先生とリュウキュウコノハズク

7月に入ってから、野外の日差しは益々眩しく、

木陰のありがたさを、しみじみ感じます。

夕方、強い日差しがやっと和らぐ頃に、小学校の先生から

「フクロウの巣が壊されて、中に取り残された雛と卵を、どうすればいいでしょうか。」

と、連絡が入りました。

休館日でしたが、いつものように仕事をしていた館長と一緒に、その現場に行くと

そこには、巣立ち前のリュウキュウコノハズクの雛が

崩れきった、倒木の上に、ちょこんと残されていました。

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連絡してくださった先生に事情を聞くと、

数日前から、この場所にコノハズクの巣があることを、こども達は知っていて

多分、巣を覗き込んでいるうちに、元々、もろく崩れかけていた朽木が崩れて

巣が壊れてしまったのではないかと言うことでした。

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その後、崩れた巣に取り残された雛を心配したこどもの一人が、

校長先生のところに、その雛を抱いて相談に来てくれたのだそうです。

校長先生は、親鳥が守ってくれるから大丈夫だと話をして、

直ぐにもとの場所に返すように言ったのですが、地面に置いておくと猫やネズミに

食べられるかもしれないことや、人間が触ってしまうと、親鳥が警戒して

子育てを放棄してしまうのではないかと、気になっていたそうです。

私と館長は、以前にも、巣が壊れて落ちたフクロウの雛を、親鳥の攻撃をかわしながら

即席で作った巣箱に入れて、木の上に置いてあげたことがありますが、

そのフクロウのこども達は、無事に巣立ってくれました。

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今回も、近くで警戒を怠らない親鳥に注意しながら、雛をダンボールに入れて、

崩れた巣の近くの大きな木の上に置き、

後は、親鳥が、子育てを続けてくれるのかを確認することにしました。

生きもの達の子育ては、習性の違いもあるため、当然ですが、多様性に富んでいます。

けれども、私達は、身近なペットである猫の子育ての時に、

人間が触りすぎて、匂いが移ってしまった子猫を、時折、親猫が殺してしまったり、

食べてしまうといった、ショッキングな場面を目にする機会が多かったために

全ての生きもの達を、そういった、理不尽な感覚で見てしまうことがあります。

鳥の場合は、獣医さんもおっしゃっていましたが、そういったことは、ありません。

ですが、それとは別に、沢山の人間が、雛や巣を見に来たり、触ったりすれば、

親鳥自体が身の危険を感じて、巣や雛を放棄することは十分に起こりえます。

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こうした子育てをしている鳥や生きもの達が、普段以上に神経質になるのは、

もちろん、雛や卵が他の生きもの達にとっての格好の食料となることがあるからです。

ツバメやフクロウは、昔から人間の居住空間に営巣することで、

そうした外敵から巣や雛を守ることを学習してきました。

ツバメは、蚊やハエなどの不快な虫を沢山食べてくれますし、

フクロウも、病気を媒介するネズミを、食べてくれる事から、

人間は、昔からこうした鳥達を大切にしてきた関わりがあります。

こども達は、フクロウの可愛さに、当然「飼いた~い!」と欲求を募らせる子もいます。

けれども、校長先生に相談する思慮深さと、お母さんから離されたらかわいそうだという思いやりを

しっかりと育んでいてくれました。

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この島の小学校には、大きなモモタマナやガジュマルの木がたくさんあって、

そこは、また、沢山の鳥が、子育てをするための場所でもあります。

ダンボールに移されたフクロウの雛は、

夏休みに入る頃には、きっと元気に巣立ってくれるでしょう。

それまでは、みんなで、大切に、同じ久米島で暮らす仲間として、見守り続けましょう。

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