2006年09月19日

エゾビタキ

渡りの季節、到来ラブ

今日は、愛らしいエゾビタキが久米島ホタル館周辺にも、大挙して飛来しました。

エゾビタキ

久米島は、沖縄本島沖縄本島の20分の1の面積しかない小さな島ですが、

驚くびっくり!ほど、渡り鳥を目撃できる島でもあります。

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それは、この島が、北と南とをつなぐ重要な中継地点であることと、この島の名称の由来とされる

離島でありながらも、米を作れるほど豊かな水タラ~を湛える川や湧き水が豊富であったこと、

そのために、海岸や河口から山の頂に至るまで、地形や地質、風当たりや水分条件など

様々な物理化学的条件によって適応した多様な植物が構成する豊かな森が

成立していたことや、そのことが理由で渡り鳥の餌が豊富であったこと、

そして、小さな島であったことが幸いし、強力な捕食者もいなかったという背景が

安心して羽を休め、時には越冬場所として利用されてきた理由ではないかと考えられます。

もちろん、小さな島であったが故に、時として大干ばつ、あるいは台風雨や地震に見舞われ、

大きく植生が破壊されることもあったでしょう。

島の生きものにとっても、自然がもたらす危機は

過去に幾度と無く訪れ、その度に島に生き残れるものをふるいにかけてきました。

もちろん、幾度となく進入定着への試みがなされる過程で繰り返された結果として、

特徴ある多様な島嶼生態系が育まれてきたともいえるのです。

私たち人類が、この地で生活する以前から、自然環境のシステムは、様々な関わりによって

今に見る様なサイクルを作り出してきました。

エゾビタキ

また、人と自然との長きに渡る共生過程で作り出された里地里山は、

鳥による恵みにも支えられてきました。

例えば、渡り鳥によってもたらされる営みによる、種子ふたばの媒介や

季節ごとに大量発生する昆虫などを捕食する、

人にとっては時に都合のいいバランス調整効果など、それらは、単純な構成ではなく、

複雑に絡み合いながら、私たち人間へ自然からの恵みとして

食料や芸術に及ぶまで、影響を及ぼし続けてきました。

しかし、広大な畑や牧草地、ダムなどを広げることで消失した森や

赤土や肥料を流したことによって汚染された川や海には、

今までの需要を受け止める供給元がありません。

それらは、時代の流れの中で、自然のサイクルを人類のためだけに

人工的なシステムに置き換えてきた当然の結果として受け止めることが出来ますが、

決して、自然なことではありません。

なぜなら、私たち人間の選択によってその結果は変えることが出来るからです。

現在、過去の過ちを分析し、残り少なくなってしまった自然資源を維持してゆくための

取り組みが、世界中で必死になって行なわれています。

沖縄県でも今、熱く取り組まれているヤンバルクイナの保護がその一つです。

例えば、ヤンバルクイナ1000頭、ノグチゲラ100頭という数は、

野生での維持(絶滅危惧種のままの維持)がぎりぎり可能となる最低の個体数とされています。

その野生の生き物の生息する環境を切り縮めたのは、間違いなく私たち人間です。がーん

その実態に触れてなお、野生生物の死を全て自然なことと考え、

保護・保全活動を否定する考えから、いったい、どんな解決が見出せるのでしょうか。

何もしないで放置することが自然であって正しいと

いかにも無責任で自分勝手な判断ガ-ンをすることは、

生物多様性無くしては生きられない人間という存在と、その事実を

認識できないことの証明となっていることに気づいてほしいのです。

エゾビタキ


タイムリミットは、動き出さない限り解らないけれど、

動かなければ、タイムアウトは確実にやってきます。

未来へ手渡すことが出来る環境は、

今を生きる私たちの、責任と能力(技術)、努力グーによって必ず変わります。

その努力は、本当に小さな小さな赤丸種火でしかありませんが、

その種火を両の手にしっかりと包み、そっとそっと根気強く吹き続けましょう。

やがては燃え盛る炎炎となるその日まで。


キラキラ 以前の記事ですが、RIKの読み物の中に

ヤンバルクイナの現状と取り組みが掲載されていました。とても解りやすく良い内容でした。

RIK編集の方から記載の承諾をいただきましたのでこちらをどうぞご覧下さい。


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この記事へのコメント
 台風お見舞い申し上げます。
 虫に回帰する前は、秋は楽しみな季節でした。
 やはり、渡り鳥が多くなるから、中でも鷹がよく見られるためでした。
 午後、それらがひと段落して帰途につくと、葉もまばらなオオシマザクラの並木に、毎年エゾビタキがちょこんといました。
 それを眺めて帰るのが恒例だったので懐かしい小鳥です。
 渋い美しさと思います。
 
 秋は、「鷹と火焚と、裏ヤンマ(ミルンとかカトリとか・・)と赤トンボ」でした。
 「でした」てゆうのが寂しい。
Posted by 川逸 at 2006年09月19日 20:51
大変ご無沙汰しています。

エゾビタキはエゾという名前がついていますが、青森県生まれで北海道に住んでいるわたしはまだエゾビタキを見たことがありません。
どこを飛んでいるのでしょうね。

北海道・十勝地方はそろそろ朝夕にはストーブがほしいかな?といった気候になりました。台風はどこへ行ったのやら。
Posted by MANAG at 2006年09月20日 11:13
satou-n様>
記事とは関係なくてもうしわけないのですが、最近うちのブログでホタル目撃情報の話題が出てます。中南部の公園などでも、よく見られてるみたいですね。解説していただけるとありがたいです!
Posted by sacom at 2006年09月20日 20:42
sacomさん、この時期に沖縄の中南部で出現するホタルは、オキナワスジボタルです。発生の時期が4月と8月をピークに11月まで見ることがあります。那覇市の末吉公園や御嶽、城跡などの緑地の周辺にも多く出現しますが、車や街灯の明かりでほとんど確認できないかもしれません。また、地面で光っているのは、ホタルの幼虫です。写真を確認したい場合は、久米島ホタルの会HPの資料室を見てね!
Posted by satou-n@ホタルの会 at 2006年09月20日 22:35
川逸さん、、コメントありがとうございました。
ヒタキの漢字は、火焚と書くのですね、また一つ勉強になりました。
ありがとうございます。
生きもの達を目にする機会が少なくなるのは、本当に寂しくて、
何か、自分の存在すら薄く影のように思えてきそうなくらいです。
それゆえ、生きものの儚さを分かることが出来る私達への課題は大きく
意義のあることだと思っています。

MANAGさん、本当にお久しぶりです。
蝦夷の火焚と、思っていたらなんと、MANAGさんのあの大きな目で
見たことがないなんて、驚きです!
こちらは、朝夕涼しくなりましたが、日中はまだ夏の光線です。
ジッとしていればずいぶん気持ちが良いのですが、
ほとんど動き回っているためまだまだタオルが手放せない毎日です。
余裕が出来たら、ぜひ、MANAGさんの手料理をご馳走になりたいと
ひそかに願っています。どうか、よろしく!
Posted by satou-n@ホタルの会 at 2006年09月21日 23:46
今年の12月頃にバースデイー割引で南下しようと目論んでいます。
そのときには沖縄の食材で北の料理を楽しんでもらいたいと思っています。
Posted by MANAG at 2006年09月22日 11:57
 ヒタキは、「鶲」と書くのが正しいと思いますが、語源は、ジョウビタキのあの「カッカッ」という叩くような声を、火打石の打音に見立てて、という説が多いようなので、そのまま漢字にしてみました(この説が正しいのかは知らないのですが)。ただヒタキというと、普通ジョウビタキを指すようです(とくに季語などでは)。
Posted by 川逸 at 2006年09月22日 16:01
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