ホタルの国から　　　～久米島・南西諸島　　沖縄の小さな島～　　

寒さを肌で感じる季節になると、冬の渡り鳥達が、

この島を彩ってくれる楽しみがあります。

オレンジ色のジョウビタキ、黄色のキセキレイ、

どちらも、太陽の光線が遠くなり、くすんだ冬の空に鮮やかに映える印象の小鳥たちです。



ジョウビタキは、小さな昆虫類を食料としているため、集落周辺や、公園、空き地、

山間の道路を横切ったり、数メートル先に飛び去ったり、

島の見慣れた景色を、塗り替えるように飛び回る姿が、とても愛らしい小鳥です。

胸からお腹にかけてオレンジ色、顔と背は黒く、翼の後ろ側の白い斑紋が目立つオスは、

群れることなく、１羽ずつがなわばりを持って冬を越します。



よい環境は強い雄の成鳥が独占するため、

「家の庭に来ている」という人のお庭や、その周辺の環境は、

年に一度、この島に渡ってくるジョウビタキにとって、一等リゾート地なのかもしれません。



人間が、自然に対して優しく生きる日々の暮らしは、

本当に多くの生きものたちの、網の目のようなつながりを支えているのだと想うのです。





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