2007年12月12日

ジョウビタキ

ホタル館のサクラの枝には、冬の常連、ジョウビタキが、2羽飛び交い始めました。

縄張り争いなのでしょう、活発に動くため桜の枝が、盛んにゆれています。

この季節は、サトウキビ畑から突き出た電柱に、

獲物を見定めるサシバチョウゲンボウが、とまっている事も多く。

間近の木立には、スズメかと思うほど、メジロやウグイスが戯れて、

ヤブの中からは、慌てたシロハラが、飛び立ちます。

ジョウビタキの艶やかなオレンジ色は、小柄ながら “ハッ”と、するほど目を惹いて、

いまでも、そのときに感じた新鮮な驚きを、保たせてくれています。

ジョウビタキ

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ジョウビタキ

ジョウビタキの翼には、遠くからでも直ぐに解る白斑があって、昔の人は、

「紋付鳥」と呼んだり、人里によく現れ、近くまで寄ってくることを「バカッチョ」と、

(ちなみに、うちなーぐちだと「ウーマクグヮー」というニュアンスです。)

親しみを込めて呼んでいたそうです。。

ジョウビタキ

日本全土に冬鳥として飛来するため、本土の人には、お馴染みの小鳥のようですが、

私は、今から8年前、久米島に越してきた年の冬に

借家の広い庭の大きな庭石の上に舞い降りたジョウビタキを初めて見ました。

久米島ホタル館で、出会える小鳥達の多さには、嬉しい反面、

ここ数年、小さな空間であるホタル館の周辺だけに、生きもの達が増えてきているのは

ほんの10年ほど前に、この島の至るところで、普通に見ることのできた鳥や

小さな生きもの達の生息環境が、恐ろしい勢いで狭まってきていることを、

予感せずにはいられません。

ジョウビタキ
 サキシマフヨウの実の周辺で採餌するリュウキュウメジロ

久米島ホタル館の敷地内では、当然ですが、農薬や除草剤の散布を行わず

生きもの達の食草となる樹木や草花を育てながら、緩やかに時間をかけて

生い茂る雑草の勢いを抑え、人が適度にすごせる空間を想定しています。

敷地内を流れる河川を利用して、止水と流水の水辺空間を造り、

施設内の生きもの達の餌取りや、子ども達が環境体験で行なう川遊びや、

生きもの探しなどの適度な刺激によって、循環する生きもの達のバランスを、見定めながら

小さな、エコハビタットの形成を保全しているのです。

ジョウビタキ

そのため、その環境の良さを、本当に知っている生きもの達は、

あちらこちらから、生息地を追われて、駆け込み寺のように、

このホタル館に集まってきているようなのです。

そんな風に言うと、いかにも、ハエや蚊とか、蟻やゴキブリがうじゃうじゃしていて、

草むらには、ハブが、潜んでいるように誤解する方もいるのですが、

多様な生きものが、集まってくる場合は、生態系の循環によって

単独の生きものだけが、爆発的に増えることはありません。

ジョウビタキジョウビタキ
  ジュズダマとクビキリギスの羽化       オキナワスズメウリの実とアシビロヘリカメムシ

むしろ、生きもの達や鳥達との出会いが多い暮らしを、

不快で不潔、そして危険なものだという単純な誤解から、

偏った風景としての緑や花だけを守るために、

それらを食べる生きもの達を取り除く農薬や肥料を散布することで、

本来なら、つながりあう生態系の中で、多くの生きものが分担して

行っていた自然の行いを、人が肩代わりしなければならなくなるのです。

実際は、そのようなことは出来るはずはありません。

そのため、不自然に、人を困らせる生きものの大量発生が起きてしまうのです。

ホタル館の、刈り残してある草原には、一足ごとに飛び出すバッタやコオロギたちがいて

その生きもの達を捕食するトカゲやカマキリ、そして、カエルがいます。

そして、カエルを補食するガラスヒバァ、トカゲやカマキリなどを捕食するチュウサギ

水辺では、カエルやエビ、魚、水生昆虫を捕食するアオサギやアカガシラサギも現れます。

ジョウビタキ
  水辺でカエルや魚、エビなどを捕食するアオサギとチュウサギ

日が当たる場所では、大小色とりどりの蝶が、蜜源の草花の周りを沸き立つように飛んで

水辺には、ボウフラ(主にユスリカ)を食べる魚やヤゴ、

蚊や蝿を食べるカエルやトンボ、蜘蛛も沢山います。

地面には、死んだ生きもの達を、腐敗する間もなく、あっという間に分解してくれる

たくさんの土壌動物や菌類、土壌微生物がいるので、きれいに保たれています。

久米島の自然が、本当に豊かだったと、思い起こすことのできる方々が居られるうちに、

この島の未来を、真剣に考えなくてはいけないと思います。

はるかな海を越えて、やってくる美しい鳥の姿と鳴き声が、

いつまでも、いつまでも、この島で、見ることができますようにと、願わずにはいられません。

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この記事へのコメント
こんばんわ。
日ごろのご活動、お疲れ様です。

久米島では、
皆さんの共生に対する感性も含めて、
理想的な生態系が育まれているのでしょうか。

「駆け込み寺」という感覚、
生き物達の悲鳴が聞こえてきそうで
胸が痛くなってきます。

今日の記事は、
情報発信性としても
何か大きな力を感じました。
Posted by みやび at 2007年12月12日 23:14
みやびさん、コメントを、どうもありがとうございます。

ホタル館の周辺では、今、オキナワアオガエルの鳴き声が、朝から響き
小鳥達は、入れ替わり立ち代り、満開のサキシマフヨウの周りを飛び交っています。

ここに、こうして一人佇んでいると、小春日和の穏やかな日の光に、あたっている様な幸福感に包まれます。
そして、それは、現実の厳しさに再び向き合うときの心へのエネルギーの補給にもなります。

私たちの毎日には、本来、こうした自然環境が、無くてはならないものではないのだろうかと、しみじみ想うのです。
Posted by satou-n at 2007年12月17日 02:52
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