2009年04月21日

クリーンビーチのゴミの話

晴れ渡った青空の下、「モズクの日・エコマリンフェスタin久米島」が、開催されました。

そのイベントでは、恒例の「ハテの浜クリーンビーチ」が行われ

私たち久米島ホタルの会も毎年参加しています。

ホタルが飛び交う島の森が、サンゴの海を育み、海からの恵みが、豊かな森を育てるという

「魚つき森」の理念から、私たちは、2004年度から海岸のゴミの回収を、

多くの人々に呼びかけながら行ってきました。

今回は、そうした私たちの呼びかけに、共感し、快く応えてくれる、スパイラルの森島さんから

そのマリンフェスタで、今までのゴミ回収の活動をパネル展示してほしいと、依頼を受けました。

そして、イベントの開催者からは、「ゴミについての話」も依頼されました。

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私たち久米島ホタルの会は、ゴミの回収を、久米島の様々な場所で、

多くのボランティアの皆さんと共に行ってきました。

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その当時は、ゴミを拾う行為は、島民を非難しているように受け取られると、

タブー視する雰囲気があったため、呼びかけに応えてくれる人も少なく、

あるダイバーは、「ゴミを拾うなんて呼びかけたら、ゴミがあることを宣伝しているようなもので、

観光のイメージが悪くなる。」と、語気を荒げた対応でした。

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また、ボランティアで集められた回収ゴミを、仕分けする役場の作業員にとっては、

手間が掛かる仕事が増える事になるし、財政的には、家庭ゴミ以外の処理費用は、

町税を圧迫するからと、どちらにとっても見て見ぬふりをして過ごすことが、

この島にとっては、得策だと考えられていたため、

私たちは、随分居心地の悪い思いをしてきました。

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ハテの浜清掃では、船に乗せて港まで運ぶはずの、ボランティアで集めたゴミが、

黒煙をあげて燃やされていた時期があり、塩素化合物ではないペットボトルでも、

海水に浸かっているため、燃やせば、確実にダイオキシンが発生することを、

ゴミを燃やしている人に忠告すると、

「文句だったら、中国に言え!」と、怒鳴られたこともありました。

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それでも、この島の自然環境と、島で暮らす人々の未来を考えると、

ゴミの回収は、必要な事だと信じて、こうして活動を続けています。

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近年、環境保全課や区民、婦人会、スポーツクラブなど、多くの島人の努力もあって、

みんなでゴミを拾う、ゴミを捨てさせない取り組みが続いた結果、

不法投棄がようやく減りはじめてきました。

しかし、海外からのゴミの方が、かなり目だつようになってきたため、

それを上回る量のゴミが、再び海岸域に流れ着きはじめています。

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5年前に、OCCN(海上保安庁第11管区)と合同で、漂着ゴミの調査を行った時には、

貝の付着がほとんど見られないビンや、国内産の商標から、海洋を漂ってきたゴミよりも、

島内から投棄されたと想定されるゴミの方が多いという結果でした。

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ゴミに対して、「自分達の責任ではない。」と、いう考えが根底にあり

ゴミを拾っていたある人は、今度は拾ったゴミを、商売に利用しようという考えにかわり、

結局は、ゴミを拾うことを、自分に必要なものだけを拾うようになってしまいました。

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また、ウミガメだけの保全ために、独りだけで、黙々とゴミを拾い続けていたある人は

平気でゴミを捨てる人や、まったくゴミを拾わない人たちに嫌気をさし、

とうとう心と身体を壊してしまいました。

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ゴミを拾う人の視点は、様々で、拾うゴミへの視点も様々です。

海岸に打ち上げられた流木や海藻は、人間から見ると、汚いかもしれないけど、

そこで暮らす生きもの達の食べ物や隠れ家になるため、

私たちは、できるだけ取り除かないように配慮しています。

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けれども、植物の生えていない砂だけで出来たハテの浜には、

流木を分解する生きもの達が少なく

波をかぶって、再び海に流れ出す流木が、船の航行を邪魔したり、

ぶつかって事故を引き起こす事が想定されるので、回収する必要があると考えています。

また、打ち上げられた巻き貝の抜け殻は、陸のヤドカリたちのお家として

持ち帰らないようにと、お願いしています。

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沖縄県では、観光立県をスローガンに、クリーンビーチを呼びかけ、

天然の資源を生かした商品開発を目指していますが、

私たちは、それ以前に、沖縄の豊かな生きもの達の生態系に

生かされているという本質と、限られた資源に気づく必要があると想うのです。

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この島に流れ着く、全てのゴミを無くす事は、簡単なことでは無いかもしれませんが、

その本質に気づいている人々は、こども達と同じように悲壮感無く、楽しみながら

命あふれる海への感謝を抱いて、ゴミを拾い続けることができると考えています。

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こども達と一緒のゴミ拾いは、効率は悪いかもしれませんが、

私たちが見落としていた様々な疑問に気づく事が出来る大切な時間だと想うのです。

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これからも、ぜひ、みんなで、楽しくゴミを拾い、

そこに生息している生きもの達のことを、知っていきましょう。

生命が息づいている場所こそ、本当に美しい海、美しい砂浜、美しい地球なのです。

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ハテの浜では、コアジサシが保護され、ホタレンジャーのメンバーが卵を見つけましたヨ!

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拾ったゴミは、船長さんの協力で、港まで運びました。

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その後は、環境保全課の職員の出番です!

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港の周辺の浜でも、クリーンビーチ作戦が行われていました。本当にありがとうございました。

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その後、港では、モズクの日を記念してエコマリンフェスタが引き続き行われ、

参加者のみなさんの前で、ゴミの分別や、ゴミの影響などを報告する機会もいただきました。

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ゆったりとした曲が会場に広がる中、

ゴールデンイーグルスの後援会や商工会青年会員の出店のコーナーが連なり、

漁港組合員の出店と、モズクのつかみ取りや流しモズクなどが楽しめました。

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今日は、本当に楽しい一日を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

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この記事へのコメント
ある島のオジィは、海岸のゴミについてこう言ってました。
観光客はマナーがいい。ゴミを持って帰るのは観光客。
浜にゴミを残していくのは、島民ばかりだ。と。
私も海が観光のひとつになっている町に生まれ育ちましたが、
いまや、ビーチクリーンは、確実に根付いていると思います。
地元民にも、海水浴の人にも、マリンスポーツする人たちにも。
日常的に開催され、家族や仲間を連れ立って、または散歩の途中、
またはウェットスーツを着たまま、ゴミ拾いに参加したりします。
日々の皆さんの努力で、観光客からも理解を得てきています。
缶を灰皿変わりにするゴミは、やっかいなゴミとなります。
夏には浜を周り、タバコを吸っている方に、灰皿の携帯を促しますが、
年々、携帯灰皿を持って、海水浴に来る人はかなり多くなっています。
ゴミの統計を取ったり、海に関わる工事と生態系について考えたり、
海の動植物の生態を楽しく知り、海岸や海中、藻場の危機を知り、
海を大事にすることを考えるイベントなども開催されてます。
これらすべてボランティアによって行われています。
それでも、ゴミはなくなりません。漂着ゴミも多いです。
でも、海岸がキレイだと気持ちいい。と思うのは、
住民も観光客も、島でもどこでも、みんな一緒。
その気持ちは、生態系の危機を阻止することにもつながります。
久米島も、自分達の島や海の中や海岸の現状を見ながら、
気負わず、楽しく、ゴミを少なくする習慣が根付くといいですね。
小さい力が合わさると、大きな実になりますものね!
Posted by umi at 2009年04月21日 19:05
umi さん、コメントをありがとうございます。

「人に迷惑をかける様な人にならないように」と、
私たちは、親に願いをかけられ育ってきました。

その温かな想いは、今、「地球に迷惑をかけない人」へと進化しています。

私たちの未来は、私たちの手で、温かく、美しく、育んでいきましょう。
Posted by satou-n at 2009年04月23日 11:10
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