2007年02月06日

海岸のごみ拾い

今日は、春を飛び越えて、初夏びっくり!

と錯覚してしまうくらいの暖かな日になりました。

久米島の飛び切り明るい海岸には、白から、うすい紫色をしたハマダイコンが、

キラキラと照り返す波間に映えた風景が広がっています。

海岸のごみ拾い

ハマダイコンは、海岸の砂地に生える外来種の越年草で、浜地に生えるダイコンという意味です。

その種は、水に浮いて海流分散するため、日本全国の砂浜で見ることができます。

そして、もう一つ、こうした海岸の砂浜や波の荒い岩礁地帯で、目に付くのが、

世界中で常に問題とされている漂着ゴミです。

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この漂着ゴミ、海外からやって来たものばかりではありません。よく見ると、

貝や海草などの付着物がまったく無いビンやペットボトル、蛍光灯や中には乾電池まで。

おなじみの草履や靴、プラスチックの玩具など、明らかに最近まで使われたものです。

久米島は、周囲を海に囲まれていますから、不法投棄され海まで流出したゴミが、

しばらく近海を漂った後、再び打ち上げられて来ることが、

以前OCCNと合同で行った漂着ゴミの調査で解っています。

もちろん、長く漂流し劣化したことで生じる、細かく砂にまぎれた人工のプラスチックや

発泡スチロール、溶け込んだ重金属類や化学物質などは、回収することさえ不可能です。

海岸のごみ拾い海岸のごみ拾い
  空き瓶や蛍光灯まで打ち上げられています。                細かな破片まで一つ一つ拾います。

暑い日差しにさらされてきらきらと輝く人工の色彩や、高い岩礁の上にまで吹き上げられた

発泡スチロールの固まりはなどは、正体の分からない人にとっては、

遠目で見る限り、まるでそういう景観なのだと、疑問さえ湧かないかも知れません。

現在、稼動しているクリーンセンターの焼却炉が、この島に設置される前は、処分のために

何処の島でも当たり前のように山や海への投棄が、行われていましたから

ゴミの回収を、あからさまに呼びかけることは、以前の暮らしを否定されているような気がすると

長年、島で暮らしている人の中には、複雑で割り切れない想いを抱く方も居られます。

そのため、法律で禁じられた今でも、ゴミを捨てる悪質な行為を、強く咎めることができず

また、ゴミを回収した後に、その処分を巡る町から県、そして国へと、行政自体が、

適切な対応策に対する費用に関わる支援を申し出ることへのためらいにも

この不法投棄を止めることができない実情の一端が、あると言えるのかも知れません。

しかし、ゴミの持つ環境への大きな負荷と恐怖は、そんなことにはお構いなしに、

しっかりと現実味を増しています。

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ノルウェーやスイスなどの5カ国が、重金属汚染対策についての条約づくりを

国連環境計画(UNEP)に提案すると言うニュースが、新聞の一面でも目につきましたが

この島でも、1960年代以降の大量消費された危険な化学物質の難分解性のゴミに紛れて、

水銀を含んだ古い電池や蛍光灯が、この島の海岸や土壌を汚染し続けています。

もちろん、カドミウムや重金属だけではなく、ダイオキシンや環境ホルモンに至るまで

様々な重金属・化学物質の複合汚染が、食物連鎖を通して循環し、

しだいに、生態系の上位に位置する長生きする大型動物の中で、

ゆっくりと生物濃縮が進んでいきます。

しかも、お母さんの子宮の中や、生まれた我が子に授乳する必要な栄養のなかには、

たっぷりと溶け込んで受け渡されるため、厚生労働省が誰よりも速く影響を受ける被害者として、

注意を促しているのは、妊婦と乳児です。

生態系の頂点に立つとされるカジキやマグロ、キンメダイを中心とした大型海洋魚類

そこに含まれる基準を超えた水銀含有量が問題になるため、

摂取制限を自己責任で判断して摂取するようにがーん?と、促しています。

多くの生きもの達と同じように、その様々な重金属・化学物質を含んだ商品を利用したことも、

もちろん捨てたことなども無い、北極周辺で生活する伝統的狩猟民族のエスキモーは、

全世界から投棄されたゴミの複合汚染による生物濃縮の被害を、真っ先に受ける

一方的な被害者だといわれています。

もちろんこれは、つながりあった地球環境で生じる現象の始まりに過ぎないのです。

海岸のごみ拾い海岸のごみ拾い

私達は、何かしらの被害が直接的であったり、目に見える状況で現れたときには、

原因を追究し、対策をとることができます。

しかし、エスキモー達は、蝕まれゆく自らの肉体を抱えながら、誰に訴えることも無く

静かにその命と、昔からの変わらぬ営みを見つめ続けています。

その静かな瞳から、警告され、語りかけられるものは、

やがて訪れるであろうその原因を作り出した、破壊的な文明を持つ私達に対してです。

今や、この島に無造作に放置されたゴミは、自然環境に織り込まれて分解して行く

無害なゴミなどではありません、それらは、水や土壌を汚染し、

私達人間を含む全ての生きもの達を通してゆっくりと、そして確実に蝕んでゆきます。

海岸のごみ拾い

久米島ホタルの会でも、今月の25日に、3回目の呼びかけとして、

立神海岸清掃活動』への参加者を募集しています。

環境を身近に考え、行動することは、どんなに小さく想えても、

確実にその被害を抑えることにつながります。

今日、たった一個のプラスチックを拾う行為でも、多くの人に伝え広げることが出来るなら

明日は、もっと多くのゴミを取り除くことが出来るかもしれないのです。

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