ホタルの国から　　　～久米島・南西諸島　　沖縄の小さな島～　　

「今日は、曇り空なので、野外での生きもの調査ではなく、

ホタル館の中のクワガタとハナムグリの幼虫と、ゴキブリが一緒になっている

水槽のメンテナンスを、みんなでやりたいと思います！」と、



もう直ぐ中学生の智君が、ホタレンジャーのみんなに声をかけると、

ワクワクした様子の子ども達が率先して、作業に取りかかりました。





ホタル館では、キノボリトカゲやバッタ、ナナフシなどの身近な昆虫類以外に、

クワガタムシやハナムグリなどの甲虫類も、テラリウム水槽で飼育しています。



しかし、ファンの多い、クワガタムシやカブトムシ達は、

日中は、土の中にもぐりこんで生活しているし、卵から孵った幼虫も、触ったりすると

傷ついて、病気になってしまうことがあるので、土の入れ替えをするまでは、

じっと、我慢して見守り続けることが重要です。



そして、その、土の入れ替えタイミングは、

土よりも幼虫たちの糞が多くなる様子で知ることができます。

「すっげぇ～、なんで、こんなにいっぱい、いるのぉ～」



カブトムシと、クワガタムシの違いを、お尻の割れ目で区別できる智君は、

ホタレンジャーの仲間が、ドンドン探し出して来る幼虫の中から

ダメージを受けやすいクワガタムシを別に分けています。



「これは、ハナムグリだから触ってもいいよ！」と、言われた３年生の男の子たちは、



テーブルの上に置かれたハナムグリの幼虫の、お尻を触って、

嫌がるハナムグリが逃げる様子を、競争させて、遊んでいます。





そんな男の子の横で、「幼虫って、めったに見れないもんね～！」の気持ち半分、

「こんなにウジャウジャ、気持ち悪～い！」の気持ち半分の

女の子たちや、F田さんは、キャー、キャー言いながら、写メで撮っていたそうです。



虫達は、基本的に、人間には触られたくないものです！（だって、ダメージが大きいんですから）

だから、人が、昆虫を苦手だと避けてくれる事は、

ある意味、昆虫たちの戦略が、成功したといってもいいのです。

生きものたちは、生き残るために、様々な方法で、身を守ります。


　　　リュウキュウオオハナムグリ幼虫


　　　リュウキュウオオハナムグリ成虫

昆虫は、小さな生きものですから、臭いや、感触、音、姿そのもの、

様々なカモフラージュを施しているのです。


　　　オキナワヒラタクワガタ幼虫


　　　　オキナワヒラタクワガタ成虫

どんなに小さな昆虫でも、命の限り、生きようとする、率直な姿に触れるとき、

私は、この地球という星が、人間だけのものでは無い事を、切実に想うのです。





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