2011年03月06日

花は、なぜ咲くの?

「カワラナデシコの花の色は、白とピンクしかないのですか?」

仲里小学校3年生の調べ学習
で、子どもたちの質問に答えていくうちに、

ホタル館の館長の話は、「花は、誰のために咲くのかな?」という、

花の立場からの、素朴な問いかけに変わっていきます。

花は、なぜ咲くの?

でも、それは、花の美しさだけを価値基準にしている

私たちの、自然に対する姿勢の偏りに気付く、大切な切っ掛けになりました。

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花は、なぜ咲くの?

島のカンヒザクラが、すっかり葉桜に変わってしまった頃、今年の冬の寒さが

返って好い影響をもたらし、クメノサクラが満開になりました。

花は、なぜ咲くの?

そして、一年中咲いているハイビスカスやブーゲンビレア、花期が長い栽培ツバキの久米紅

たくさんの園芸種の色とりどりの花からすれば、見向きもされませんが、

花は、なぜ咲くの?

今、久米島の野山には自然の花がたくさん咲いています。

「花は、広告や看板と同じなんだよ。誰かを誘うしるし、誰かに来てもらいたいんだ、

それは誰だと想う?」

「はい、カマキリや蝶々とか、いろんな虫です。」と、

花は、なぜ咲くの?

3年生の男の子が元気よく答えた後、「なぜ、来てもらいたいの?」と聞かれて、

とっても面白い答えが、「自慢したいから!」でした。ニコニコ

その時は、虫が花の受粉を手助けしているという答えを知っている

先生方や私は、大爆笑でしたが、

花は、なぜ咲くの?

後から考えてみれば、人の視点から見ている花の価値付けが、

子どもの発した”自慢”という言葉に、裏付けられていると、

解釈することもできて、子どもの素直な言葉の鋭い感性に改めて感心させられました。

花は、花粉を運ぶ役割の仲介役「ポリネータ」になってくれる昆虫や鳥などに

気付いてもらうために、色や香り、形を駆使しながら、様々に変化してきました。

花は、なぜ咲くの?

それは、動くことのできない種子植物が、子孫を残すために必要な花粉を運んでくれる

「ポリネータ」の気を引くために、知恵を絞りながら編み出した進化の結晶です。

自ら動くことのできない植物は、必要な「ポリネータ」を引き寄せるために、

「ポリネータ」の気をひくような”目立つ”花を咲かせるのです。

花は、なぜ咲くの?

それは、必ずしも私たちが「美しい、綺麗、良い香り」と感じる咲かせ方とはかぎりません。

私たちにとって、地味な花でも、臭い花でも、生きもの達にとっては、魅力となるのです。

花は、なぜ咲くの?

しかし、野の花の中には、私たちにとっても強烈に魅力的な姿形や色彩、

芳香などを持つことがあるため、その見事な看板や広告である、

花の魅力に、人が取りつかれてしまうことがあります。

その結果、魅力的な花々の本当の思惑とは別に、人とのつながりが深くでき、

人が持ち去ることで、自然界では何の恩恵も得られないまま、

野生絶滅への道をたどった花も多いのです。

花は、なぜ咲くの?

やがて、私たち人間は、その花の魅力を、植物自体の思惑を想い図らずに、

花の色や形や匂いを、人間の好みで変化させる技術を獲得し、

栽培品の植物を、次々と創りだすようにもなりました。

そうして創られた花々は、先ほどの男の子が、当然のように答えた

時には“自慢”をするための花にもなっていったのです。

花は、なぜ咲くの?

但し、自慢する相手は、自然界に生きる競争種となるはずの花々ではなく、

私たち人間の世界だけで通じる栽培品種として、切り離されてしまったのです。

そして、花屋の店先では、多種多様な花々が、本来の自然の法則とは別に、

私たち人間の暮らしを豊かにするためだけの役割に専念させられ、

人にとって都合の良い綺麗な蝶や鳥を誘う時のためにも、利用されるようになりました。

花は、なぜ咲くの?

どんな時代でも、私たち人間にとって、癒される満足感、優しさや心地よさ、慰め、喜びなどの

花を愛でる心の価値が、世の中に普遍的に満ち溢れることが常に必要とされてきました。

ゴミが捨てられている公園に、花を植えることで、ゴミを捨てる行為が止んだり、

辛い想いで苦しんでいるときに、一輪の物言わぬ花と向き合うことで、

心救われる経験を持つ人は、世界中に多くいるはずです。

花は、なぜ咲くの?

花の存在は、それほど大きく、私たちの心を支えてくれる

必要不可欠な存在であるといえるでしょう。

しかし、花が自然の進化の結果創られたという本質に気づかないで

花特有の美しさだけに、人間の関心が集まると、多様な生命の生態系とつながる

固有の植物の生き方の存在を無視することにつながる事や、

きれいだったり、珍しかったり、することが、花の本来の価値だと、勘違いしてしまう事で、

花は、なぜ咲くの?

自然とのつながりが絶たれてしまった観葉や栽培品種の花々が、世界中に安易に

ばらまかれてしまい、気がつけば、自然生態系の様々な生きものたちに悪影響を及ぼしたり、

時には人を困らせる原因にさえなってしまう現状に、

多くの人たちが気づき、危惧し始めています。

花は、なぜ咲くの?

人間に都合のいい解釈で、脇目も振らずに熱心に行われてきた過去の所行を反省し、

現在は、人のコロニーであるはずの都市でさえも、その土地本来の生物多様性を目的とした、

在来植物を中心とした、新たな緑化事業が始まっています。

花は、なぜ咲くの?

新しい世代は、そのことを実際に理解し始めていて、

今では、「花は、なぜ咲くの?」という素朴な疑問の答えをひも解くにしても、

別の意味で、自然環境と共存していくための疑問の答えとして、賢く捉えることができます。

花は、なぜ咲くの?

野の花々が、本当に必要としているのは、「きれいだね」と囁く人間の想いだけではなく

在来の植物を大切にしながら、その植物の元で生きていける相互に深く結びついた

身近な自然で実際に手助けをしている現実の『ポリネータ』の生きものたちなのです。

花は、なぜ咲くの?

その生きものたちが居なくなってしまったら、

私たちの心が愛しむ花々はどうなってしまうのでしょうか?

花の思惑の真実を知ることができれば、

それを、予測するのは、どんな人にとっても、容易いことだと想うのです。

花は、なぜ咲くの?

私たち大人が、生きていくための最も現実的な課題は、人間だけに都合のいい

自然環境の解釈をあらため、自然の声に素直に耳を傾けることでしょう。

その意味で、インタープリターとしても、役割を努める久米島ホタル館の館長のような

自然に詳しい人の話を、真摯に聞く事が必要な時代に入ったといえるでしょう。

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