2006年10月22日
鼻の長いムシ
南の島の強い日差しも、さすがに和らぐ秋の夜。
森の小さな生きものたちが、土の中で目覚め、樹冠の木々を目指します。
長い鼻のように見える口吻をもつ、この生きものは、シイシギゾウムシです。
ドングリが落ちるこの時期にだけしか見られない昆虫です。
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森の小さな生きものたちが、土の中で目覚め、樹冠の木々を目指します。
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晩秋の山に入っての楽しみのひとつは、この南の島でもドングリ拾いです。
中でも、そのまま食べることができるオキナワスダジイ(オキナワジイ)は、
そのことを知っている子ども達の間では、競って食べるほど人気のドングリです。
食べ方はいたってシンプル、石を使って殻を割り、中の実をそのまま食べます。
渋みのないほのかな甘みのある味は、近い仲間の栗と似ていて
蒸したり、炒ったりした方が、本当はもっとおいしのですが、
直接、食べるこの醍醐味が、何よりもご馳走に感じます。
今年は、少ない年かもしれませんので、見つけるのはちょっと大変かも・・・。
時々、小さな穴の開いたドングリを目にすることがあります。
大人たちは、虫食いだと直感して選り分けますが、小さな子供達は、お構いなしで
バンバンと石を打ちつけ、「ぎゃー、なにかいるー。」と、叫びます。
「ハイ、ハ~イ、これが、あのなが~い口を持っているシギゾウムシの赤ちゃんだよ。」
もちろん、マテバシイや、オキナワウラジロガシのドングリからも、
上はオキナワウラジロガシ、下はマテバシイ
時間がたつと、中からウジ虫に似た幼虫がはい出してきます。
これが、ゾウムシの幼虫であることを知らないと、みんなとても驚いてしまいます。
幼虫は、本当なら、地面に落ちた先ではい出して、土の中に潜り
蛹になることが目的だったのですが、拾われてしまったドングリの容器の中で
ただはい回るしかなかったのです。
昔の人は、この幼虫達も、ミミズ同様ウジムシ(サバムシやサシとも呼ばれています)も
釣り餌としても利用しました。
日々の食料(魚釣り)を、確保するため、
鯖の頭を腐らせてウジムシを確保したり、蜂の巣から蜂の幼虫を取ったり、
蓑虫やその他のガの幼虫まで使って、釣りの餌としたため、幼虫の発生する時期や場所などを
自らの営みとして、しっかりと培って暮らしていました。
さて、穴の開いたドングリを見つけるたびに、全てのドングリを、
シイシギゾウムシが食べ尽くして増えてしまいそうですが、
ドングリも工夫していて、二,三年に一度しかたくさん実を付けません。
栄養価の高いドングリだけを当てにされないように、
ネズミや鳥、昆虫などからの食害を減らすための工夫(進化)であったというのです。
中でも、昆虫は爆発的に増えますから、渡り鳥が多く、昆虫の少ない秋に実を付けることで、
害虫となる昆虫をついでに食べてもらい、種子散布まで鳥達にお願いしているらしいのです。
でも、このシイシギゾウムシ達も、しっかりと当て込んだ進化を遂げたらしく、
ドングリの生り年同様、二、三年間は蛹で休眠するものがいると言うのですから驚きです。
ドングリの少ない年は、少ないなりに、多い年は多いなりに卵を産んで子どもを育てる。
もっとも、地面に落ちた途端、今度は幼虫を狙った虫や鳥もやって来ます。
ドングリも、少々食べられたって、しっかりと芽を出して生長するように、長い進化の過程を、
こうして、多くの生きもの達との係わり合いを経ながら、今に至っています。
久米島には、沖縄本島北部に見られるオキナワスダジイ(オキナワジイ)の森が山腹に
わずかながら残されています。
大岳のオキナワスダジイの森は、学術上貴重であると言うことで
特定植物群落に指定されています。
また、上流や源流の川筋にはオキナワウラジロガシの森があり
わずかですが、尾根筋にはマテバシイの森も見られます。
ドングリの生る森は、固有種が多く生息している森の核となっている場所です。
今は、昔のように、ドングリやシギゾウムシの幼虫を営みとして利用することはありませんが、
秋の風物詩としての、ドングリ拾いを、子や孫との楽しみとしても大切にして
生態系を支える豊かな森をしっかりと保全し、できることなら、
もっと、もっと、ドングリが生る森を拡げていきたいたいと思います。
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中でも、そのまま食べることができるオキナワスダジイ(オキナワジイ)は、
そのことを知っている子ども達の間では、競って食べるほど人気のドングリです。
食べ方はいたってシンプル、石を使って殻を割り、中の実をそのまま食べます。
渋みのないほのかな甘みのある味は、近い仲間の栗と似ていて
蒸したり、炒ったりした方が、本当はもっとおいしのですが、
直接、食べるこの醍醐味が、何よりもご馳走に感じます。
今年は、少ない年かもしれませんので、見つけるのはちょっと大変かも・・・。
時々、小さな穴の開いたドングリを目にすることがあります。
大人たちは、虫食いだと直感して選り分けますが、小さな子供達は、お構いなしで
バンバンと石を打ちつけ、「ぎゃー、なにかいるー。」と、叫びます。
「ハイ、ハ~イ、これが、あのなが~い口を持っているシギゾウムシの赤ちゃんだよ。」
もちろん、マテバシイや、オキナワウラジロガシのドングリからも、
上はオキナワウラジロガシ、下はマテバシイ
時間がたつと、中からウジ虫に似た幼虫がはい出してきます。
これが、ゾウムシの幼虫であることを知らないと、みんなとても驚いてしまいます。
幼虫は、本当なら、地面に落ちた先ではい出して、土の中に潜り
蛹になることが目的だったのですが、拾われてしまったドングリの容器の中で
ただはい回るしかなかったのです。
昔の人は、この幼虫達も、ミミズ同様ウジムシ(サバムシやサシとも呼ばれています)も
釣り餌としても利用しました。
日々の食料(魚釣り)を、確保するため、
鯖の頭を腐らせてウジムシを確保したり、蜂の巣から蜂の幼虫を取ったり、
蓑虫やその他のガの幼虫まで使って、釣りの餌としたため、幼虫の発生する時期や場所などを
自らの営みとして、しっかりと培って暮らしていました。
さて、穴の開いたドングリを見つけるたびに、全てのドングリを、
シイシギゾウムシが食べ尽くして増えてしまいそうですが、
ドングリも工夫していて、二,三年に一度しかたくさん実を付けません。
栄養価の高いドングリだけを当てにされないように、
ネズミや鳥、昆虫などからの食害を減らすための工夫(進化)であったというのです。
中でも、昆虫は爆発的に増えますから、渡り鳥が多く、昆虫の少ない秋に実を付けることで、
害虫となる昆虫をついでに食べてもらい、種子散布まで鳥達にお願いしているらしいのです。
でも、このシイシギゾウムシ達も、しっかりと当て込んだ進化を遂げたらしく、
ドングリの生り年同様、二、三年間は蛹で休眠するものがいると言うのですから驚きです。
ドングリの少ない年は、少ないなりに、多い年は多いなりに卵を産んで子どもを育てる。
もっとも、地面に落ちた途端、今度は幼虫を狙った虫や鳥もやって来ます。
ドングリも、少々食べられたって、しっかりと芽を出して生長するように、長い進化の過程を、
こうして、多くの生きもの達との係わり合いを経ながら、今に至っています。
久米島には、沖縄本島北部に見られるオキナワスダジイ(オキナワジイ)の森が山腹に
わずかながら残されています。
大岳のオキナワスダジイの森は、学術上貴重であると言うことで
特定植物群落に指定されています。
また、上流や源流の川筋にはオキナワウラジロガシの森があり
わずかですが、尾根筋にはマテバシイの森も見られます。
ドングリの生る森は、固有種が多く生息している森の核となっている場所です。
今は、昔のように、ドングリやシギゾウムシの幼虫を営みとして利用することはありませんが、
秋の風物詩としての、ドングリ拾いを、子や孫との楽しみとしても大切にして
生態系を支える豊かな森をしっかりと保全し、できることなら、
もっと、もっと、ドングリが生る森を拡げていきたいたいと思います。
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Posted by satou-n at 16:42│Comments(0)
│ホタルとつながる生きもの達
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