2006年10月15日

夕焼け空

10月の空気は、まだ暖かい

それでも夕暮れの空は、

少しだけ切ない。

夕焼け空

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「自分が何をしたいのか、わからない。」と、問いかけられたとき、

私には、返す言葉が見つかりません。

私が3番目の子供を沖縄本島の病院で出産してから、4年の月日がたちました。

4年前、元気だけがとりえだと思っていたのに、前置胎盤による安静のため

出産までの半年間の入院生活を、ほとんどベットの上で過ごす毎日が続きました。

暇をもてあます毎日を、手製のカレンダーに書き込んで、

一日の終わる夜を待ち望み、一日の始まる朝を嘆きながら

ただひたすら退院できる日(出産)を待ち望んでいました。

待ちに待った陣痛の痛みは、長い入院生活が終わる歓喜となって私を励ましてくれ

無事に息子は、この世に生を受けました。

とても大きな赤ちゃんでした。

夕焼け空

普通、このあとに胎盤が子宮から剥がれ落ちるのですが、癒着胎盤のため出血が止まらず

緊急に、足先から大腿部の付け根の大動脈までガイドワイヤーを入れ、

止血する手術がとられました。

神経を避けるために、造影しながらガイドワイヤーを入れてゆきます。

画面を見ているドクターに、反応を伝えるため足先だけの局所麻酔で、意識はあります。

神経に障れば声に出すよう指示されて、手術台に固定され

ピクリとも動いてはいけないと、

恐怖と痛みで、気の狂いそうな4時間の手術を必死に潜り抜けました。

けれども、それから6日後の手術では、死の峠を越えなければならない一夜を過ごしたのです。

覚えているのは、廊下に佇む夫の悲しそうな姿、私の小さな子供達・・・。

誰に手を握ってもらっても、さすって声をかけられても、私はたった一人ぼっちです。

あの日の凍るような寂しさを、今でもどう表現したらよいのかわかりません。

夕焼け空

私も何をしたいのかは、わかりません。

今は、ただ、目の前の全ての命がひたすらに愛しく、

私の手を、握り返してくれる小さな手の感触がありがたく

指の先から足の先まで、自由に動かせることが、嬉しくて

輝くように美しい毎日を送っています。

夕焼け空

それでも、ふと、夕焼け空を見上げるとき

胸の奥の一番深い場所を、切ない想いが、そっとなでてゆくのを感じます。

あの日、命を救ってくれた人々のあきらめない姿勢のおかげで

人を信じることと、時折訪れる、この切なさを、共に私の糧として

私は、運良く、生き直すことができました。

世界中の様々な自然環境の再生のために、真摯に活動を続けている人々には、

既に理解できている本質に、気づくには時間はかかりましたが、

遅くはなかったと、思っているのです。

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FM久米島
FM久米島(2017-12-17 08:39)


この記事へのコメント
ジーンと熱いものを感じます。
ご本人に感じた奥深い温かさは、体験から醸し出されるものだったんですね。
 自然に対する愛情、行動力にはブログ越しではありますが、いつも感動させてもらってます。  私も私の歩みで、自然のすばらしさを少しでも伝えていければと、思いました。
Posted by カオス at 2006年10月15日 21:17
カオスさん、やさしいコメントありがとうございます。
結構はじけた生き方をしていましたから、
今の私を「なんで、なんでなんで」と、いぶかしげに思う人が、
いてもおかしくないんです。

人間、出会いは大切ですよね。
このときの入院生活で知り合った沢山の患者さんやお医者さん、
看護婦さん達に出会えたことも、私を変えてくれた大きな力なのです。

いろんな人がいて、いろいろな生き方があるから、
なにも大きなきっかけだけが、人を変えるのではなく
ちょっとした事からも変わるときは、やっぱり変われると信じているのです。
沖縄のこれからは、世界にとっても、とても重要な時期に来ています。
ウチナーンチュとしての真価が問われるときです。
ぜひ、一緒にがんばってゆきましょう。
Posted by satou-n at 2006年10月16日 23:57
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