2007年05月29日

社会生活の本質

イジュの花が、こぼれるように咲きほこり

太陽の日がまぶしくなり始めた5月の久米島ホタル館に、

「てんつくマンの映画を観て下さい!」と言って、

Nさんという人が現れました。

社会生活の本質

「107+1天国はつくるもの」と題したその映画は、

以前「ワタシタチノミドリ」で紹介されていた映画でした。

社会生活の本質にほんブログ村 環境ブログへ

 ↑できるだけ多くの人に読んでいただこうとエントリーしています。
申し訳ないのですが、もし可能であれば2つともクリックして応援をお願いします!

社会生活の本質
 緑を守ることに賛同して、「ワタシタチノミドリ」との総合リンクをしています。
 ぜひ、多くの方のご協力をお願いいたします!




チラシを差し出しながら、熱心に「てんつくマン」の話をされるNさんは、

この映画を多くの人に観てもらうことで「熱心に生きることに気付いてもらえる」からと、

「どんなに大変なことでも、楽しんで、あきらめずにやることが大切だ。」と私に語ります。

その言葉は、とてもよい響きのはずなのですが、そう語るNさんからは、

なぜだかとても違和感を覚えます。

映画館の無い久米島では、教育委員会が無料で主催する映画上映会が、

年に1~2回ほど、町の農村改善センターで行われます。

昨年は、「ホタルの星」の上映もありました。

数の少ない映画の上映は、ありがたく、とても関心がありますし、

「てんつくマン」の映画なら尚更です。

それでも、通常は、映画を上映するために何ヶ月も前から施設の借用や広報などを行います。

それをNさんの場合は、先に改善センターを使用する許可を得ていた同好会を

他の施設に移動してもらうことになるような強引さで

無謀とも思えるほど急な映画の上映案内でした。

しかし、町長から教育委員会で後援するという許可をいただいてきたと、協力を求められたため

行政施設であるホタル館では、Nさんの応援を快く引き受けたのでした。

しかし、その過程でも、Nさんの目に余る言動に、違和感は強くなるばかりです。

一日ごとに彼を知る人々から、不信感や不満の声が聞こえてきます。

「てんつくマン」を多くの人に知ってもらおうとしすぎて、周りが見えなくなっているのかしらと、

こうした人々からの気になる声を彼に気付いてもらうつもりで、

彼を家に送る途中、路肩に車を止めて話し込んでいると

後ろから来た車が、ライトをハイビームにして伺うように通り過ぎてゆきました。

そして、それからしばらくしてまた

先ほど通り過ぎた車が、対抗してきて直ぐ横に停車するのです。

(なぜかしら?)(知り合いかしら?)と思っていると、

ゆっくりとウィンドウをおろした50歳くらいの見知らぬ男の人が、

「だいじょうぶか、なんかあったのか。」と、

静かな声で、心配そうに尋ねてくれました。

社会生活の本質

その言葉は、年上の方のとても心強い温かさを感じ、本当に嬉しいものでした。

異年齢の折り重なった人間社会には、様々な価値観が存在しています。

人生の先輩方に、今の時代の環境問題を語るのは、

本当に生意気に思われるかもしれないと、いつもいつも、悩んでいるのですが

それでも、この島の未来を考えるとき、

環境問題を改善しなければならないことへの理解を求めるのは、

大人にも子どもにも区別なく、行わなくてはいけないことだと考えています。

環境の大切さに気付き、生き方を変えることは、本当に大変なことですが

これからの時代を、全ての世代と生命が共に生きてゆくためには、

良いことで済まされることではなく、本当に必要なことだと考えています。

けれども、Nさんが、この島で、この映画を多くの人に観てもらいたいという思いは、

良いことかもしれませんが、環境問題を伝えるための手段に過ぎず、

絶対に必要なことではないのです。

これは、とても大きな違いですが、Nさんには、この違いがよく解っていないようでした。

Nさんには、随分振り回されてしまい、彼に関わることで、周囲に心配をかけてしまいましたが、

見も知らぬ年配の島の人が投げかけてくれた、私を気遣うやさしい言葉に

久米島を大切に想う心を共有し、同じようにこの島を大切に想う人が、

必ずこうして私を見守っていてくれるのだという確信が持てました。

環境問題に関心を持つための切欠は、どんなことでも大切です。

書物やニュース、そしてこうした環境に関わる様々な映画を観る事も、

人によっては劇的な気付きになることもあります。

けれども、社会生活の本質をしっかりと考えることさえ出来れば、

環境問題を改善するための行動は、

もともとこの島で培われていた営みの中に、年齢を問わずに

だれもが立ち返ることが出来るはずです。

社会生活の本質

そしてそれこそが、この島の本当の姿なのだと私は信じているのです。

社会生活の本質にほんブログ村 環境ブログへ

 ↑できるだけ多くの人に読んでいただこうとエントリーしています。
申し訳ないのですが、もし可能であれば2つともクリックして応援をお願いします!

社会生活の本質
 緑を守ることに賛同して、「ワタシタチノミドリ」との総合リンクをしています。
 ぜひ、多くの方のご協力をお願いいたします!

タグ :気付き

同じカテゴリー(環境について)の記事
ホタルや自然の写真
ホタルや自然の写真(2015-04-28 18:11)

ツワブキ
ツワブキ(2014-12-26 19:19)


この記事へのコメント
satou-nさん、久米島は暑いですか?
今日の仙台は、肌寒くて長袖着用必須です。

てんつくマンの映画は、秀でた能力などとは関係なく希望を持ち続けることで、誰でも何かを成し遂げることが出来ると感じさせるものでした。
そして、がむしゃらに行動する中にも『しては行けないことがある』と彼は
語っていました。

今回、てんつくマンのお話を聞く機会に恵まれました。
何事にも感謝の気持ちを持つ考え方に心洗われる思いでした。
過去は、変えられないと思っていたけれど、過去の失敗や嫌な事があったお陰で今の自分がある、今の幸せがある、過去の間違いにも感謝し、
過去は変わるんだと語るてんつくマンは、かっこ良かったです。

環境問題を難しく語るのではなく、海外支援を得意げに語るのでもなく
自分がしたいことを楽しくしているだけと語っていました。

てんつくマンの話題でしたので、思わず書き込みしちゃいました。
Posted by chacha at 2007年05月30日 14:37
chachaさん、コメントをありがとうございます。

仙台には、てんつくマンが再び登場されたようですね。
chachaさんの、書き込みから、会場の高揚感が伝わってきます。
自分を持っている人は、本当にカッコいいですよねぇ!

久米島は、うだるような暑さが続いていて、長い夏の気配がいっぱいです。
Posted by satou-n at 2007年05月31日 00:04
  satou-nさんご無沙汰しています。わたしはその映画をみていませんが、コメントさせてください。
 人間が生活している以上、[行き違いや」[勘違い」はよくあります。

 まして環境を守りたい。平和をつくりたい。とかいう大きな理想を実現する為に社会運動をしている人達のなかにも、勘違いの人は大勢います。

 [押し付けがましい人」「人を支配しようとする人」[命令したがる人」がなかにはいます。高邁な思想とは裏腹な人の存在は迷惑ですね。

 話は変わりますが、選挙で国策の[核のゴミ」を完全に追い払った高知県東洋町。はやくも町長への不平不満が出ています。もうすこし住民側も[我慢」をしないといけないところもあるでしょうに。

 東洋町長さんのブログも開設されました。

 [ヤスタロウの東洋町長日誌」

 http://sawayama.cocolog-nifty.com/blog/

 ご参考ください。
Posted by けんちゃん at 2007年05月31日 12:35
こんばんは。

昨日からどうコメント書こうかな、と思っていました。

私の忘れられない、好きな言葉、ガンジーのことばなんですが、

   善きことは、カタツムリの速度で動く。

今は情報がインターネットでいっぱいありますよね。

さまざまな人とリンクできて、遠い地域の人と自由に繋がることができます。

でも、地に足を付けて、人と人が直に向き合って伝えていく、

それが大きな力になっていくんでしょうね。

私の住んでいる街にも、ホタルがいます。

人工のせせらぎに、木が生い茂り、深い谷のようになっていて、

毎年、口コミでホタルのナイト・ウォッチングに来る人が多いですよ。

それと、ガンジーの名言でこんなのも見つけました。

  あなたの夢は何か、

  あなたの目的とするものは何か、

    それさえしっかり持っているならば、

    必ずや道は開かれるだろう
Posted by KAORU at 2007年05月31日 18:50
初めてホタルの国から・・・訪れます。
お久しぶりです。
実は、あの上映の後、相当精神状態にダメージがあり、
対人、対物、広場恐怖症になってしまい、家から出ることがほとんど出来ません。Nさんのせいにするのは卑怯なのでしょうか?私も、satou-さんの意見に賛成です。
そして、私は、自らてんつくマンさんにアポを取りました。
そして、私のミクシーを見て欲しいとお願いしました。
でも、メッセージで来たのは私にとってはショックな内容でした・・・。

今、私は身の置き所が無く戸惑っています。
そして、体は、疲れても無いはずなのにだるく痛みが全身を支配しています。
そんな中で、10月に結婚するいとこに贈る曲の作詞が出来上がりました。
そのタイトルは「群星垂(ほたる)」です。
4日に本島に一時帰ります。
てんつくマンさんから講演会に来てくださいとのメッセージもありましたので
お会いできれば言うつもりで居ます。
「普通の人が、挑戦することは素晴らしい事だと思う。でも、この世の中には
どんなに挑戦したくても出来ない人も居ることを知って欲しい」と・・・
長々と失礼しました。
主旨に合わないようでしたら削除なさってください。
でわ。
                   琉華@SLE
Posted by 琉華 at 2007年06月01日 22:08
私は映画等々未見ですから、何とも申す資格などはなさそうですが:
 とりわけ自然の保全(と、ヒトとの関わりかた)においても、「自然」側だけでも、ヒトはいかに知らないことが大半か、未だに、否、どこまでも「群盲象を撫でる」の中で、試行錯誤を重ねてきているか・・・ また、一方でヒトとの関わりにおいて絶えず生じるハードル。ということで、もっとも「ネイチャーとその現状」を的確に見つめるという、最前線にsatou-n&f さんらが立たれ、諸方善処を工夫され、また試行錯誤・・を繰り返しながら模索され続けていると拝察しております。
 そうした場合は、やはり総論はおおまか賛意だけれど、各論は・・ということもあるのでは・・ということもあろうかと思います。
 (自然というものに足しては)対応すべき目先の件が絶え間なく、方や、地域だったり島だったり大小のコミュニティによって、その数だけ抱える固有の事情、こうした際には、定型のコピーのような文句が並んだにせよ、それは 「生まれるべくして生まれる乖離感」は、むしろ出やすいのでは・・
 勘違い等々でしたら申し訳ございませんが。。。
Posted by 川逸 at 2007年06月01日 23:34
けんちゃん、コメントをありがとうございます。

東洋町長さんのブログを訪問させていただきました。
本当に、ご苦労をお察しします。

人の持つことになる役割は、最初から決まっているわけでなく
その役割を担ってゆく過程で、身に付いてゆくものだと思います。
私自身、沢山のお叱りと励ましを受けながら、随分変わることができました。

私も、けんちゃんと同じように、「核のゴミ」を払いのけた東洋町の皆さんを
応援しています。
その民意を沢山町長が代表したのだと信じています。
ぜひ、その思いを大切に、力をあわせて町づくりに望んでほしいと思います。


KAORUさん、コメントをありがとうございます。

ガンジーのことばを、紹介していただいて感謝します。

そうですか、「塩の行進」は、まさしく「善きこと」そのものだったと思います。
私も、KAORUさんと、同じようにガンジーの生き様を、尊敬しています。
現在、急激な成長を遂げているインドに
ガンジーの「非暴力の思想」は、欠かすことが出来ないと思います。

実は、私は、ガンジーを想像するときに、必ず想い起こす方がいます。
その方は、元、那覇市長、瀬長亀次郎さんです。

その風貌も良く似ているのですが、
なによりも米軍統治下の沖縄で、補助金の全く無い那覇市政を、なんと、97%の市民の納税率の自主財源で市政運営を果たしたという
その絶大な支持率を思うとき、沖縄の戦後とインドの独立を重ねるように
想像してしまいます。

この話は、子供の頃、父から何度も何度も聴かされて育ちました。
「カメさんを助けるために」といって、市民が手に手に納付金を持って
市役所に長蛇の列を作って押しかけたそうです。

昔のニュース番組で、父の語ってくれたシーンを目にしたとき、
同じようにガンジーの「塩の行進」や非暴力の抵抗を目にしたとき
震えるほどの勇気が湧いてきます。
「私達、人間は、なんて、素晴らしいんだろう。」と、
心から感動することが出来ます。

KAORUさんが、励ましてくださるように、
私の夢と目的は、しっかりとしています。
その道が、開かれる日まで、カタツムリのように歩んでいきたいと思います。

温かな想いで見つけてくださったガンジーの名言を、
どうもありがとうございました。
Posted by satou-n at 2007年06月03日 02:50
琉華さん、コメントをありがとうございます。

琉華さんへの返事が長くなってしまったので、記事にしました。
コメントを読んで、火垂(ほたる)の文字は、群星垂(ほたる)に代えました
もし、イメージが違っていたらごめんなさい。

沖縄の方言は、やさしいニュアンスがあります。
「よんなーどぅ、よんなー。」(ゆっくりだよ、ゆっくり)

私の周りにも理解者がいてくれるように、
琉華さんの周りにも理解者がいます。
それは、大勢でなくても良いと思います。
本当に心休まる、そしてあなたを大切に想ってくれる人がいます。

今回、Nさんには、まいったけど、
琉華さんのご家族と知り合えて、本当に良かったと思います。
身体の調子が良くなれば、いつでもホタル館に遊びに来てください。
Posted by satou-n at 2007年06月03日 23:42
川逸さん、コメントをありがとうございます。

お察しのとおり「ネイチャーとその現状」の最前線での試行錯誤は、
私自身、初めての経験を積み上げる貴重な毎日だと感じています。

どんなに一生懸命伝えようとしても伝わらないことは、本当に沢山あります。

あきらめたほうが、どんなに楽か知れないと、何度も何度も考えるのですが、想像もしたことの無いほど深刻な地球環境の現実を知ってしまった今、
後戻りすることは、自分自身の存在すら失うことになってしまうことを自覚しています。

そんな厳しい毎日でも、心から幸せだと思えるのは、
家族の価値観が等しく、夫や、3人の息子達の地球環境を語る真っ直ぐな瞳を、反らすことなく応えることができる今の自分自身を、母として、人として
矛盾なく素直に好きでいられるからだと思うのです。

自然が好きで、人が好きな毎日は、何はともあれ楽しいものです。
Posted by satou-n at 2007年06月07日 22:36
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。