2007年04月18日

ホタルの鑑賞

川面に映るホタルの光は、

切ないほど美しく、やっと出現し始めたその数の少なさに

自然を守るということへの、切迫した時間を思い知るのです。

ホタルの鑑賞

今夜、出現が多く見られたのは、「五枝の松」の近くを流れる小さな小川で12匹

その川の流れ込む「カンジンダム」ホタル水路で、10匹のクメジマボタルを確認しました。

そして、アスファルトの道路を徘徊するハブも目撃しています。

キラキラ 久米島ホタルの会だよりでは、シーズン期間中、ホタルの発生状況を発信しています。

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この島に移り住み、久米島ホタルの会でホタルの生息環境を保全するために

呼びかけ続けていることは、この島を代表している生きもの達の一つであり、

世界で唯一、この島にしか生息していない貴重で、島の生態系の中に織り込まれている

クメジマボタルを地元の人々と一緒に守り育てて生きたいという願いからでした。

そのクメジマボタルやホタルを取り巻く生きもの達は、残念なことに年々姿を見かけなくなり

加速度的にその数を減らし続けています。

ホタルがほとんど消滅していたホタル館の敷地を流れる小川(浦地川下流)の周辺、

3年前に、湿地ビオトープを整備し、一昨年は30匹、昨年は100匹近く出現していましたが、

今年はついに、たった2匹の発生を確認した後、終息してしまいました。

2月と3月の大雨で流出した赤土には、散布したばかりの農薬や肥料が

大量に混ざりこんでいたのでしょうか、雨が止んで水が澄んだあとの川には、

夕方になって海から遡上してきたオオウナギが、餌のテナガエビを探し回る姿が

哀れにさえ想えるほど、生きものの姿が見えません。

ホタルの鑑賞

大きなはさみを振りかざし、川底を歩き回っていたコンジンテナガエビや

小さな子どもたちでも捕まえることが出来るくらい沢山いたクロヨシノボリやアヤヨシノボリ達の

ひょうきんな姿さえ見かけることも出来なくなってしまいました。

その頃から、今年のクメジマボタルの出現を、心配していたのですが、

残念なことにその予感は、的中してしまいました。

久米島では、4月中旬からゴールデンウィークにかけて、

島内のホテルのスポーツスタッフやタクシーの運転手さん達

もちろん、久米島ホタルの会でも、島に訪れる観光客へのナイトスポットサービスとして

クメジマボタルの鑑賞会を行っています。

ホタルの鑑賞

島の人々には、小さな頃から当たり前のように見てきた生きもの達の一つである

クメジマボタルをわざわざ鑑賞に来ることに対しても、その案内で料金を頂いていることに

対してもなんとなく胡散臭いイメージを抱いている島の方も少なくないかも知れません。

もちろん、マナーも知識も持たない案内人が、自然の生きもの達を見世物にして

商売をすることは、論外であり、絶対にあってはならないことですが、

久米島だけに限らず、自然をアピールしているはずの沖縄には、

手付かずの自然など、もう、どこにもありません。

それよりも、今に至っては、わずかに生き残っている自然の姿を保護し保全しなければ

観光資源としての価値を失ってしまうことになるでしょう。

久米島を訪れる多くの方が、この時期のクメジマボタルの鑑賞を楽しみにしてくださることで

この島の人々にとっても、クメジマボタルが大切な存在だということに気付いて

もらえると考えていることから、久米島ホタルの会では、

できるだけ、多くの島の方々が、この時期のクメジマボタルを、

観光で島を訪れる方々へ、マナーを守りながら案内してほしいと考えています。

以前は、ホタルの鑑賞マナーなど必要に感じることも無く

沢山のクメジマボタルを見ることができたため、

この島のエコツアーは、生きものへの配慮のない形で進んでいましたが、

3年前から久米島ホタルの会で、お願いしてきたホタルに対するマナーと、

ハブに対する安全確認は、今では、定着してきたことだと信じています。

ホタルの鑑賞
   五枝のマツ園地とカンジンダムの間の道路を、徘徊するハブ

しかし、肝心のクメジマボタルは、この島の赤土対策を防止するための根本的な解決に

乗り出さない限り、確実にその個体数を減らし続け、天然記念物というだけでなく

世界中にただ一種のホタルの絶滅という、大きな損失になるということを

広い視野で、久米島町行政や住民の方々に理解していただき

減少してゆく自然の生きもの達を、あきらめずに、保護・保全することを願っているのです。

この小さな南の島の久米島で、クメジマボタルやホタルを取り巻く生きもの達を

復活させることが、この島のほんとうの魅力をアピールすることにつながります。

ただ、鑑賞するだけのホタルのツアーではなく、

環境を保全・保護する視野に立ったエコツアーを、

この島のガイド仲間の皆さんが、協力してゆくことを心から願っているのです。

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この記事へのコメント
  ごぶさたしています。このところ高知県の東の端にある東洋町の町長選挙に関わっていました。17日は現地へいきましたし。22日も行く予定です。
 いくら町のの財政が苦しいからと言ってもいきなり高レベル放射性廃棄物を持ち込むなんて信じられません。

 あらためて東洋町へいき巡回しますと癒される自然が豊富にあります。ヨット愛好者から見ても素晴らしい海はあります。

 都市部の人間として何ができるか。即できることから実行しようと思いました。東洋町の長老が「深呼吸できる町を、放射能を持ち込んで呼吸のできないまちにしようといする連中がいる。それは絶対に許せん」と言われていました。賛同します。

 昔あった「ありふれた風景や自然」を今の時代保持するには大変です。
 そういうことで東洋町関連記事でTBさせていただきました。すこしでも注目いただければ幸いです。
Posted by けんちゃん at 2007年04月20日 07:58
けんちゃん、お久しぶりです。
コメントをありがとうございます。

東洋町の自然を、ゆっくりと安心して堪能する為にも
放射能の危険性のない暮らしを多くの人が望んでいると信じています。

過疎というのは、お金が無いのではなく、
希望が無いのではないかと思うのです。
その希望は、お金ではなく、人に求めるべきだと思っています。
Posted by satoou-n at 2007年04月22日 17:11
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