2007年10月07日

仲里中学校の環境学習

台風15号の影響で、今日の久米島は、吹き荒れる風に包まれています。

宇江城の牧草地では、刈り取った牧草を包んでいる白いビニールが、

強い風に巻き上げられ、森の木立に引っ掛かりながら、吹き飛ばされていきました。

いつの間にか、久米島の風景は、延々と広がっている森を切り取った牧草地が、

まるで昔から、この地にあった風景として受け継がれていたのでは、

と錯覚を覚えてしまうほど、巻き取った干草の塊が、あちらこちらに見られるようになりました。

先月、仲里中学校から依頼されて、3年生には、『久米島の環境の現状について』の話を、

1年生達には、『久米島の環境を知る』ためのバスツアーを行いました。

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「唐突ですが、久米島の環境って、どういうものですか?」と、問いかける私に

3年生の生徒達は、顔を見合わせながら「?」。

「それじゃあ、質問を変えて、島の周りには、なにがありますか?」

こんどは、ちょっと、遠慮がちに「・・・・海・・ですか。」という答えがかえってきました。

「いなか(田舎)でしょうか、都会でしょうか?」

これには、笑いながら、「いなか!」と答えてくれます。

私達の住んでいる久米島は、海に囲まれた田舎の小さな島、

小さく失われやすいこの島に、必要で、なくては困るものものを、選択するとき

これが、最も素朴な久米島の認識、久米島の環境をとらえる際の基本だと、私は考えています。

この基本に立ち返ることは、この島でいつまでも生き続けていくことが可能な状況(環境)を

持続させていく上においても、避けては通れないことであると考えるからです。

狭い限られた面積の島の中で、生きてゆく上で無理をせずに、導き出される答えとは?。

現在島では、高値で引き取りが行われている畜産和牛の子牛生産が盛んになり始めています。

子牛を生産するためには、雌牛をたくさん育てる牧草が必要になるため、手をつけずにいた

山や森の奥深くの土地まで、開墾が始まり、次々と牧草地が広がっています。

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自分の僅かな所有地では足りないと、隣接する土地(町有地など)まで侵食しながら

畑や牧草地を広げる人もいるという噂が、島のあちらこちらで囁かれていて

正確な土地所有の把握と維持のためには、行政の早急な対応が急がれます。

牧草地は、広大な緑地ということもあって、

緑の島という、見た目に優しい風景だけを求める人々にとっては、

「自然がいっぱいですね。」という感想だけが、頭上を飛び交い、サトウキビに比べると

裸地面が少なく見えるため、雨が降っても赤土の流出を防ぐことが出来ると、

状況をよく理解していない人は、牧草地を奨励します。

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しかし、島のキャパシティから考えて、家畜を育てることができる面積は限られており

頭数を制限をしなければ、島の環境は、わずかに残された森のさらなる減少と

牧草地に大量に鋤込まれる肥料(家畜の糞尿を主としたもの)が地下や地表流出の汚染となって

確実に短期での修復・回復が不可能な状況が、広がっていくのではないかと危惧しています。

私がこの島に来てから、赤土監視員として知ることが出来た久米島について、

そして、これからの久米島が、この先の地球環境に照らし合わせながら

どのような方向性を模索してゆくことが良いのか、否、出来るのかについて、

私なりに思っていることや、考えていることを、真摯に話しました。

実際に牛を飼っている親のいる生徒や、こうした話に全く関心をもたない生徒のいる中でも、

僅かな数ですが、熱心に質問をしてくれる生徒や、

「このままじゃ、ダメだね。」と、話してくれる生徒もいました。

3日後の、1年生と一緒に3台のバスに分乗して出かけた環境バスツアーでは、

桜並木の美しい山の斜面に不法投棄されたゴミを、見てもらうことが目的でしたが

生徒も先生も、自然に、まるで当然のように、そのゴミを拾い始めてくれました。

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人の感受性は、自分自身を振り返ってみても、正直に言えば、とても漠然としていて、

この島の自然を、理解したつもりでも、まるで親や先生のように、共に寄り添い導いてくれる環境が

常に傍らにいなければ、一過性の想いだけで、消えてしまうのかもしれません。

でも、この日のことを切欠として、久米島の自然環境を、

我が事のように感じてくれる生徒が、少しでも増えてくれることを

心から願っています。

そして、ホタルの会の環境活動に理解を示し、

総合学習として積極的に取り入れてくださった、

仲里中学校の校長先生や担任の先生方には、本当に感謝しています。

ありがとうございました。

そして、これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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この記事へのコメント
何も言わないのに、ゴミを拾ってくれる・・・・ちょっと嬉しいですね。。
satou-nさんお疲れ様でした。
学校側が、環境についてもっと幅を拡げていってくれて嬉しいですね。。
昨年から、学校に行くたびに娘の担任にsatou-nさんにこんな話をしてみたいけど大丈夫かな~といつも声をかけてくれました。。。
先生には、いつも『大丈夫!!satouさんなら喜んで飛んできますから』とついつい言ってしまっていますが・・大丈夫ですよね(笑)
最近は、ちょっとホタル館へもいけずに申し訳ありませんが・・・また時間を作っていくようにしますので、ホタレンジャーのメンバーも増やしていきましょうね(^_^)v
Posted by 涼 at 2007年10月08日 18:40
涼さん、コメントを、ありがとうございます。

本当の想いは、行動に現れると信じて、いつでも待っています。
私に出来ることは、何でも声をかけてください。
これからも、頑張りましょうネ!
Posted by satou-nsatou-n at 2007年10月11日 01:21
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