2010年11月02日

赤土流出・耕土流出防止に取り組む。

奄美大島に大災害を起こした大雨は、

久米島でも、かなり激しく降っていました。

その大雨で、ホタル館の浦地川には、上流からの大きな倒木や投棄されていたゴミが、

畑からの大量の黒土(肥料)に混じって、赤い濁流とともに流れてきました。

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この日も、大雨の度に、何度も何度も、見てきた光景と変わらないように想えましたが、

他の川を見回り比較することで、確かな変化に気づくことができました。


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ホタル館の浦地川上流には、大屋(たいや)地区という土地改良区があり、

その農地の排水は、浦地川と、もう一つの河川で、商店街を流れる隣の阿里川へも流れます。

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その2つの河川の一方である浦地川に排水される側溝には、

これまでの久米島ホタル館や久米島ホタルの会の活動もあって、

グル―ンベルトやマルチング、久米島町が開発した板戸の設置など、

畑から流出する耕土を、少しでも減らすことを目的にした発生源対策が進んできました。

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また、3年前から始まった沖縄県の耕土流出防止対策事業による改良型の板戸の設置と、

予定よりも小型になりましたが、3か所の沈砂池が大屋地区に造られました。

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その成果により、ホタル館の浦地川は、多様な生きものたちが増え、

10年前にほとんど飛んでいなかったクメジマボタルが、一日最大100匹も飛ぶようになりました。

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その浦地川でも、これほどの大雨が降れば、”やはり、真っ赤になるのかぁ・・・。ぐすん”と、

落ち込みかけたのは、正直な感想でした。

気落ちしている私を尻目に館長は、「カンジンダムの棚田効果から先に確認しよう!」と、

耕土流出防止対策も兼ねた、水質浄化のために造られたカンジン棚田へと急ぎました。

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カンジンダムには、その広さゆえ、浦地川以上に周囲から水が押し寄せてきます。

その凄まじい光景は、まるで、この世の終わりかと思うほどでした。

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頭の中で、”洪水捌けを乗り越えるほどの雨の量には、

蛇行して、ダム湖内への濁水の侵入を食い止める筈の棚田の機能も太刀打ちできず、

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成す術も持たないのだ。”と、その時の私は、とても心細く、強いショックを受けていました。

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止め処無く、上流から流れ込んでくる畑の赤土は、鮮血の様に道路を覆い、

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透明だったダム湖内に造られた棚田や水路の水が、またたく間に

真っ赤な不快な色に染っていきます。

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普段の穏やかなカンジンダムで、優雅に過ごしていた水鳥達の姿が、

こんな日は、やりきれなくほど悲しいシルエットに映ります。

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一生懸命、状況写真を記録として撮影している館長とは違い

私は、あまりの凄まじさに呆然としながら、赤く染まる棚田の光景を眺めていました。

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稲を植えてある北棚田では、ダム湖の外にある農地からの著しい土壌流出により、

一際激しく、ダム湖内の棚田(ウォーターベルト)に濁水が流れ込んでいます。

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すると、頭の中で、否定的だった棚田の機能の本質が、しっかりと見えてきたのです!

この目を覆うほどの耕土が、直接、ダム湖に流れていたら・・・

もし、これが久米島を囲む海にまで流れていたとしたら・・・。

その被害は、いったいどれほどのものだろうか・・・。 それが解ったとき、

”カンジンダムの棚田は、これほど凄い赤土の量を、確かに止めている!” 

”この棚田は、凄い 本当に凄い!びっくり!”と、確信が持てました。

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    儀間川河口周辺海域

その後、あれほど激しかった雨がパタリと止んで、時折、日が差すくらいに天気が回復し、

久米島の川や海の赤土流出状況を見て回りました。

すると、ホタル館の浦地川に比べて、他の河川の赤土の色の方が、

遥かに激しいことにも気づくことが出来ました。、

それは、大量の耕土流出をものがたっており、その比較から、

浦地川上流の沈砂池の流出防止効果が、十分、納得できたのです!

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    島尻川河口周辺海域

そして、池やダム湖、海に流れてしまった大量の肥料を含む土壌は、

湖水や塩水と混ざり、元の畑に戻すことは不可能に近いけど、

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    銭田川河口周辺海域

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    カンジンダム湖―仲地川流れ込み口

この棚田や水路に堆積した土壌なら、時間と労力はかかるかも知れないけれど、

元に戻すことができることに、(いつもしていることだけど)、改めて納得できたのです!

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    カンジンダム湖―久間地川流れ込み口と棚田

カンジンダム湖内に造られた棚田や水路の”水質浄化効果”と並ぶ、もうひとつの役割、

”耕土流出防止効果”の本質が、激しい豪雨の中で、クリアに見えた瞬間でした。

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    カンジンダム湖―闘鶏川流れ込み口と棚田

そして、大屋地区に施された耕土流出防止対策が、確実に機能していると確信できました。

それと同時に、久米島の農地には、板戸の設置や、グリーンベルトとして役立てようと、

わざとサトウキビを刈り残す対策や、ゲットウやアキノワスレナグサ、コスモス、ヒマワリなどの

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フラワーベルト、グリーンベルト、マルチング、石積み、堰などを設けている農家が

実際に増えてきていることにも、確信が持てるようになりました。

これは、明らかに、個々の人々が、赤土対策を自主的に捉え、行動に移している表れなのです。

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川や海を汚染し、多くの生きものたちにとって、生死に関わる赤土の流出問題は、

そこに関わる、そこで生きる、農家の方々の現実の状況や価値観が、

現れることも多いのです。

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足元と地球環境に目を向け、悪化する環境を変えたい、

良くしたいと願う人々が増えている今の時代、

全ての人々が、知恵を絞り、協力するという関わりが、本当に必要なのだと想います。

私達ホタルの会が、共にこの島で生きていく仲間として、久米島で暮す全ての人々に対して、

本当に、この島を大切に想い、明るい未来を夢見ているのなら、

赤土の流出を減らすことが、何よりも大切だと、誤魔化すことのない真摯な姿勢で、

常に訴え続けてきた事が、少しずつ、確実に、浸透してきていることを、感じます。

赤土流出・耕土流出防止に取り組む。

来る11月15日の午後2時から3時に、久米島ホタルの会も参加する

「久米島応援プロジェクト」赤土流出防止(土壌保全)のためのグリーンベルト植栽が

予定されています。

この活動に、多くの方々に参加していただけるよう、私たちも呼びかけています。

赤土流出・耕土流出防止に取り組む。

この激しい赤い川の色を、薄くしていくための努力を、たくさんの方々の協力のもと

久米島ホタルの会は、これからも地道に続けていこうと想います。

ぜひ、これからも、温かな応援をよろしくお願いいたします。ピース

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この記事へのコメント
こんばんは、はじめまして。

とても、考えさせられる深いブログですね。

ありがとうございます。

読者登録させていただきました!
これから、宜しくお願い致します。

           ~ロハス~momo 桃 原
Posted by ~ロハス~momo~ロハス~momo at 2010年11月02日 19:23
~ロハス~momo 桃 原さん、コメント&読者登録、ありがとうございます。

沖縄は、楽しく美しく、そして、生きる事を深く考え、感じる事のできる島だと
私は想っているのです。
その想いを、このブログで表現できるよう、拙いながらもがんばります。
どうぞ、よろしくお願いします。
Posted by satou-nsatou-n at 2010年11月02日 22:56
はじめまして。赤土について調べていてこのブログにたどり着きました

私は一年前に修学旅行で久米島に訪れました。

赤土がこんなにもきれいな景色を変えてしまっていたこと、
浄化にこのような対策がとられていることも今まで分かっていませんでした。
教えていただきとても感謝しております!

美しく自然豊かな久米島に戻るよう、御早い復興をお祈りします。
これからも頑張ってください!
Posted by ひいらぎ at 2010年11月07日 12:38
ひいらぎさん、コメントをありがとうございます。

修学旅行で、久米島に来ていただき、その上で、赤土についても調べていただいてくれたことに、心から感謝いたします。

私たち久米島ホタルの会は、久米島の赤土流出を減らす為の努力を、どんな時でも変わらずに訴えてきました。
この、久米島の美しい自然や海を守る活動が、表向きのパフォーマンスではなく地道な活動の成果である事を、なによりも、この島の自然が伝えてくれます。
そして、ひいらぎさん達のように、こうしてブログにたどりつき、私たちの活動に心からの応援を贈ってくれる多くの方々に支えられている事を、実感しています。
これからも、皆さんの応援を支えに、一生懸命にがんばります。
Posted by satou-n at 2010年11月08日 09:32
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