2008年05月23日

メジロのヒナを捕らないで・・・。

小鳥達のハミングが、一段と賑わう若葉の季節には、

久米島ホタル館へ寄せられる鳥の情報が、増えてきます。

「キャー、かわいい~!」「ありえな~い!」と、

ホタル館を訪れた、かわいらしい女性2人は、

先日、保護されたばかりのリュウキュウメジロの雛を

ウルウルしながら見つめています。

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まるで、緑色の小さな毛糸玉のように真ん丸い、このメジロの雛は、

ホタレンジャーの男の子が、道路で、轢かれそうになっていたので

慌てて、保護してしまい、その後も親鳥を見つけることが出来なかったために

その子のお父さんから、相談を受けて、飼養することになった雛です。

メジロでも、スズメでも、小鳥の雛が、巣から落ちているのを見つけたときには、

必ず、その雛の親が近くにいて、心配しているはずだから、

直ぐに戻してあげるか、近くの安全な場所に置いておくように、

こども達にも、大人にも、お願いしていますが、

時によっては、その判断がつかなくて、こうして持ち込まれ、

母鳥代わりのお世話をする事もあります。

メジロのヒナを捕らないで・・・。

私と館長が、その雛を引き取りに伺った時間は、随分晩かったのですが、

私たちを待っていてくださった、お父さんは、子どもが、

「僕は、ホタレンジャーだから、生きものを助けないといけないんだ!」と、言いながら

雛を持ってきた姿を見て、今までの面白半分で雛を拾ってきた時とは違い、

純粋な正義感からの行為だという事を、解ってほしいと、おっしゃって下さいました。

高揚したその子から事情を聴くと、雛が落ちていた場所は、車の往来の激しい道路で、

最初のうちは、教えられていたように、安全と思える場所に置いて、様子を見ていたけれど

そのままほっておけば、きっと車に轢かれてしまう、そんなことは、絶対にイヤだったと言います。

真っ直ぐなその子の瞳と、言葉を聴いて、私は、素直に嬉しくなりました。

そして、子ども達の、こうした純真な想いや、それを見守ろうとしている素敵な親達の

温かな願いのより所となり、励ます事ができるように、

誇りと、責任のある、今の自分の役割を、真摯に努めていこうと想うのでした。

メジロのヒナを捕らないで・・・。

メジロの雛を捕る事が禁じられている事を、ホタル館を訪れる方に話をするとき、

「売る事はいけないかもしれないけど、

かわいいから、飼いたくなっちゃう気持ちは、解るよねぇ。」とか、

「沢山いるんだし、大切に飼っているんなら、いいんじゃないんですかぁ。」

と、正直な気持ちを伝えてくれる方がいます。

けれども、この雛が、私達にとって、かけがえのない自然環境を構成している

野生の生きもの達の一員であり、そのたった一つしかない命を、

自分勝手な観賞のために壊してしまうという事の重大さを一生懸命伝えると、

ほとんどの方は、十分に納得してくれます。

そうして、このホタル館で、見慣れていたはずの身近だった生きもの達が、

普段、出会うことのない生きもの達になっていた事に気づき、

そして、再び、出会えたことに、改めて、素直に喜んでくれたり。

本当に、初めての出会いに新鮮さを感じて、楽しんでくれたりします。

メジロのヒナを捕らないで・・・。

こうした会話を、「理想はそうだけど、実際は無理ね。」と、言われることが辛くて

以前は、とても苦手にしていましたが、

今では、野生の生きもの達を、個人の楽しみのためだけに囚えることが、

容認されるような社会の風潮が、間違っていることに、多くの人が気づかなければ、

どんなに一生懸命、生きもの達の世話をしていても、

救える数が、僅かなこと、そしてそれが、生きもの達だけでなく

私たち人間の崩壊を招く事にも、深く気づくことが出来てからは、

益々エネルギッシュな、おばちゃん(理想は、沖縄のオバァ)になってしまいました。

私たちは、みんな、子どもの時間を、大人の時間へと移し変えて成長してゆきます。

その過程で、法律を守ることの必要性を、しっかりと認識し

そして、伝えてゆくことは、社会を構成している人間としての自覚を伴う

とても大切なことだと想います。

メジロのヒナを捕らないで・・・。

小鳥の雛を、好奇心いっぱいで、持ってくる子ども達には、

その後の雛に起きる不幸を、解ってくれると信じて、

私は、繰り返し、繰り返し、何度でも話します。

それは、小鳥の雛を救うことでもあり、

少し先を生きる大人として、後に続く子どもの心を、

健やかに育む事にもつながると、信じているからなのです。

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ほっておくのが一番でしょう。 http://sizengaido.ti-da.n
朝、とべない子すずめを見つけたら・・・(2)【伊藤えり 笙の響きと雅楽の愉しみ】at 2010年03月22日 14:14
この記事へのコメント
なんともかわいいメジロのヒナですね。
こうして保護されてしまって、お仕事がふえましたね。
お疲れさまです。
それでも、こうして手にのるヒナを見る事ができました。

こちらもまもなくホタルの季節がやってきます。
久米島のホタルもいつか見に行きたいです。
Posted by KAORU at 2008年05月28日 11:26
KAORUさん、コメントをありがとうございます。

KAORUさんのおっしゃるように、仕事は確かに増えますが、
喜びも倍増する毎日です。

大きなお口で、「ご飯ちょうだい、ご飯ちょうだい、ピピピー。」と、呼ばれると
どんな疲れも、遥かかなたへ吹っ飛んでゆきます。

あともう少しで放鳥できます。

この島で、毎朝、耳にする小鳥達のさえずりは、絶対に失ってはいけない
地球の宝物だと想うのです。

お近くで、これから始まるホタルの季節。私も本当に、楽しみにしています。

それから、KAORUさんからの、温かな応援を、照れくさいのですが、
本当に感謝しています。 『ありがとうございます。』
Posted by satou-nsatou-n at 2008年05月28日 13:02
私たちの家の木にもメジロの巣がありまして、1羽の雛がいます。 
私はいつも家に帰る時、木を見て、いつも元気だなと、思います。
これから、どうなるのかが楽しみです。
Posted by アルス at 2009年06月20日 19:31
アルスさん、コメントをありがとうございます。

ずいぶん前の記事を、読んでいただいて嬉しいです。

親鳥が雛を育てている姿を、間直で見ることができるのは、幸せですね。
いつも、返事が遅いので、申し訳なく想っています。
きっと今頃は、巣立ちをした賑やかなメジロ達が、アルスさんのお庭で、囀っていることでしょうね。
Posted by satou-nsatou-n at 2009年06月28日 02:04
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