2007年09月30日

チョウゲンボウ

空は、高く青く澄みきっています。

そして、残暑と呼ぶのにふさわしい太陽のエネルギーは、

台風の風で、痛めつけられた木々の間から、地表へと降り注いでいます。

「傷ついて飛べない、ワシか、タカのような鳥を保護したのですが。」

という連絡があって、ピンときたのは、

この季節に久米島を渡りで通過するアカハラダカでした。

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チョウゲンボウ

3日ほど前に、ホタル館に訪れてくれた方からも、

「島尻の空を、何万羽というアカハラダカが渡っていました。」といって、

小さな虫のように見える写真を、見せてもらっていたので

渡りの途中で、力尽き、落ちてしまったのだと思っていました。

「こっちです。」と案内されて大きな段ボール箱の中を覗くと、

「あれ?、アカハラダカ?」。名前から想像する姿とは少し違うようです。

ケガの具合を調べながら確認すると、チョウゲンボウのようです。

チョウゲンボウ

翼は折れているようではないのですが、ごろんと横になって動けません

右足の先が棒のように伸びきっていて、血の通いがないような冷たさです。

傷ついているのか、衰弱しているためなのか、立つことはできません。

胸の肉は、げっそり落ちていますが、ハシバミ色をしたかわいらしい瞳には

まだ、生気がみなぎっています。

ビタミン剤と糖分を混ぜた水を少し含ませるのですが、大きくあえいでいるため

上手く飲み込むことも出来ずに口の端から垂れてしまいます。

「水も飲めないのか・・・。」ダメもとで、ドレーンを使い

のどの奥へ、少しずつ、本当に一滴ずつ、湿らせるように与えると

「ゴクン!」と音が聞こえるような反応があり、

時間を置くと、今度は、口を動かして飲むことが出来ました。

チョウゲンボウ

沖縄本島の獣医師の元に送るには、飛行機の便は既に無い時間です。

私に出来ることは、幾度となく繰り返してきた、

食べさせて回復することを待つということだけです。

冷凍庫にあった鶏肉を、急いで解凍し、小さく千切って、口の中に押し込もうと試みますが、

サシバよりも、厚みのあるしっかりとした硬いくちばしは、鋭い武器のため

閉じる力が強く、その上、口角も小さいので、指を入れることが出来ません。

しかたなく、割り箸を使いながら、館長に手伝ってもらい、慎重に鶏肉を落とし込みました。

あとは、体力を消耗させないように、翼を広げることの出来ないゲージに寝かせて、

様子を見ることにしました。

水や餌を与えるまでは、ピクリとも動かなかった鳥は、

ゲージに入れてしばらくすると、もそもそと、動き始めています。

そっと覗くと、苦しそうに半分開いていた口も閉じていて、

今のところは、なんとか、一段落付くことができました。

チョウゲンボウ

翌朝、『死んでいませんように・・・。』祈るようにゲージを覗くと、

かわいらしい赤褐色の瞳は、キョロキョロと、せわしなく動いています。

少し体力が付いたのでしょう、昨日よりもずっと元気そうです。

夕方の給餌の際には、鶏肉を目の前に持ってくると、

パクッと、上手に食べてくれました。

動かなかった足も、握ったり開いたりすることが出来ます。

まだ、まだ、油断は、禁物ですが、今のところは、とてもよい兆候です。

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