2008年12月27日

バリバリのコマドリ!

「これは、間違いなく、バリバリのコマドリですニコニコ」と、

鳥の同定をメールで問い合わせた返信が、興奮した様子で、

「ヤンバルクイナを守る獣医師の会」の天野先生から返ってきました。

「へぇ~、すごいねぇ~!久米島にコマドリが、来てるなんて。」

「そう、おまけに、県内でも、生態写真は、たったの2例しかないらしく、

標本も県内では数例、記録は多くても10例はないだろうから、

天野先生が、バリバリのコマドリと表現する気持ち、よく解るよ!」と、

キクザトサワヘビの調査中に、このコマドリを目撃した館長は、

大きく頷きながら、その日の様子を、笑顔で話してくれました。

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バリバリのコマドリ!

私たち久米島ホタルの会では、環境省からの委託を受け、

2008年の12月6日から31日までの期間に、

今年10月にラムサール条約に登録された渓流湿地に生息している

キクザトサワヘビの保護区内における生息調査を、

久米島の河川20ポイントで行っています。

ホタル館の館長も、休館日には、ホタルの会の会員として、その調査活動に参加しています。

調査は、安全面を考慮して二人一組のペアで行っていて、

コマドリを目撃した15日(月)の午後は、久米島の釣り師で名の知れた

ボビーさんと一緒にサワヘビ調査に出かけていました。

バリバリのコマドリ!

渓流沿いの森の中を調査していく二人の目の前で、

コマドリは、昆虫などを捕まえて食べるのに夢中だったのか、

林床や茂みを移動しながら、二人に警戒する様子も無く

鮮やかなオレンジ色、つぶらな黒い瞳の、その美しい姿を見せてくれたそうです。

しかし、その突然の衝撃のせいなのか、いつもならピントバッチリの館長のカメラが

ベストショットを逃してしまい、今回は、ちょっと残念な映像になってしまいましたぐすん

バリバリのコマドリ!

久米島では、近縁種のアカヒゲの記録は過去に一度だけあるのですが、

コマドリの記録は初めてでした。コマドリは、夏鳥として、

九州以北に渡来、標高1000mから1500m以上の亜高山帯、

涼しい森の渓谷や沢沿いなどに棲むといいます。 おそらく、

越冬地は、中国南部の高原や高山帯なので、そこもやはり涼しいところなのでしょう。

偶然立ち寄った冬の久米島は、ちょうど良かったのかな?

コマドリは、姿と声の美しさから、ウグイス、オオルリとともに

日本三大名鳥(三名鳥、三鳴鳥)とされています。

久米島にはウグイスが生息していて、オオルリが一度拾われていますので、

今回見つかったコマドリで、三名鳥すべて確認されたことになります。

バリバリのコマドリ!

良く通ったきれいな声で、ヒン、カラカラカラ・・・と軽やかにさえずることで有名ですが、

このさえずりが、馬のいななきと左右に頭を振って、鳴きながら馬が走る時の姿や

その時の口輪の金具(くつわ、轡)の鳴る音に似ているらしく、駒鳥の名の由来となっています。

また、英国圏で古くから親しまれている『マザーグース』には、『who killed Cock Robin?』でも

登場していて、その印象の鮮やかさを伺わせてくれます。

コマドリの近縁種には、アカヒゲがいます。

そのアカヒゲも久米島で、一度だけ目撃されています。

今回目撃したコマドリも、近縁種のアカヒゲとよく似た行動をしていたそうですが、

アカヒゲは、コマドリとは異なり、

南の島のあたたかく湿った森の渓流沿いの林床で生活してします。

雄は喉から胸が黒いため、黒いヒゲを生やした赤い鳥ということで、アカヒゲと名付けられました。

バリバリのコマドリ!

沖縄本島北部(やんばる)の照葉樹林には、基亜種に比べ胸が灰色がかっている

アカヒゲの亜種、留鳥のホントウアカヒゲが生息しています。

久米島で見つかったアカヒゲは、

おそらく男女群島や屋久島や種子島、トカラ列島にいるアカヒゲ(奄美諸島も?)

が冬季に渡りをして、宮古諸島や八重山諸島、台湾へと渡る途中に、

たまたま、久米島に立ち寄ったものではないかと想像されています。

バリバリのコマドリ!

沖縄本島では、数例ですが、渡りの途中の個体が保護されています。

かつては、冬場だけの記録が多かった八重山のアカヒゲ(亜種ウスアカヒゲ)は、

冬の渡り個体を誤認していた可能性あると、近年指摘されています。

ところで、日本を代表するコマドリとアカヒゲは、学名の種小名がそれぞれ、

akahige、komadoriとなっていて、和名の表記とは反対になっています。

シーボルトが送ったラベルの付け間違いか、記載者テミンクが誤って整理したためか、

いずれにしても手違いがあって、

学名の種小名が入れ替わって間違って記載されたといわれています。

バリバリのコマドリ!

館長は、久米島の貴重なキクザトサワヘビの調査中に

その美声と鮮やかな姿で有名な、貴賓コマドリを目撃したとき

「ラムサール条約に『久米島の渓流・湿地』として登録されたことを、

まるで、お祝いしてくれているみたいだなぁ」と、

踏みしめる森にきらめくように流れる小さな島の渓流を眺めながら

心の底から湧きあがるような喜びとして、感じたそうです。

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この記事へのコメント
コマドリ ゲットすごいですね。おめでとう。
久米島の自然の豊かさが感じられます。
私も2年前の久米島滞在2カ年間を懐かしく思っております。
思えばその間の鳥見が一番充実していました。
ホタル館とのお付き合いも楽しかったです。
近いうちに行きたいです。
Posted by 球美@本部 at 2008年12月29日 07:32
球美@本部さん、コメントありがとうございます。

気がつけば、球美@本部さんが、久米島を離れて、2年になるのですね。
本当に、その節は、色々とお世話になりました。

島の時間は、心を育む時を刻み、自分という人間を、しみじみと味わう事ができるような気がします。

私たちも、沖縄本島に行くときは、本部まで遊びに行きます!

来年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。
Posted by satou-nsatou-n at 2008年12月29日 21:51
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