伝説のハブ捕り人!

satou-n

2006年09月13日 03:30

今日は、とうとう昔からこの人の右に出るハブ捕り名人はいないと云われた

香村昂男さんの「環境教育学習・ハブ講座」を

久米島町教育委員会の協力で、開くことができました。



香村さんは、琉球政府時代から続くハブと沖縄の人の生死をかけた現場に立ち続け

研究と対策のために40年もの間、ハブを捕獲し、飼育を続けた

伝説のハブトゥヤー(ハブ捕り)です。

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香村さんは、その昔「新里堅信のハブ捕り」という漫画のモデルにもなりました。

面白かったですよ!



昔は、人の営みそのものが体験や経験に満ち溢れていました。

煮炊きをする薪を山に採りに行ったり、川に洗濯をしに行ったり一日の大半を

自然の中で過ごしました。

大変な重労働であったはずですが、その思い出を語る島の方々の瞳はキラキラと輝き、

その頃の自然の豊かさが、誇りであることをうかがい知る事ができます。



しかし、医療の充実していない時代に毒を持つハブに咬まれたら、

それは本当に悲惨な結末を迎え、なによりも恐ろしい対象とされたことは無理もありません。

そのため、自然との関わりが薄くなってゆく暮らしの中で、

ハブに対する関心は、ひたすらその恐怖心ばかりが、膨れ上がってしまい

多くの人々は、目にするヘビというヘビを、全てハブの恐ろしさに重ね合わせて

その区別さえ行うことなく、ハブへの処遇と同じような対応を長年にわたって続けたのです。

現在、私たちが生きてゆくためには、

実に多くの人の協力と、その協力の下でのさまざまな自然環境との関わりが

必要だということが分かり始めてきました。

絶滅してしまった生きものや、逆に増えすぎてしまった生きもの、病気が発生するメカニズムなど、

それらの事実が時代と共に明らかにされたとき、取り返しのつかない失敗と反省が私たちに

選択を迫ってくるからです。 次は、どうするのかと・・・。



今回のハブ講座は、そういうことにも気づいてもらいたかったのです。

自然の素晴らしさを、昔の人はよく知っています。

それは、丁寧に生きる営みの中にしっかりと織り込まれていました。

夜の闇がホタルの光や星の光をクリアに感じさせるように

その怖さや恐ろしさや苦労が、身近な人に対する信頼感や愛情を際だたせ

自然の美しさを自らのクオリアの中に刻み込んでいるからです。

時代が変わって、身近でなくなった自然の楽しかった切片だけを味わい

危険な現実に関わらなかれば、被害を防げると考えるのは

過去の悲劇を防ぐ真の解決にはなりません。

現実に起こりえる事態をしっかり認識すること、そのために研究者や識者も努力しているのです。

悲惨な症例や本当の生態をその怖さからうやむやにすることなく、生きものとしてのハブを

ホタルと共に生きる生態系のつながりとしてしっかりと認識することが、何よりも大切です。

この島には、実際にハブが生息していて、ハブとの遭遇は、日常の中に潜んでいます。

環境の整備など適切な対応を行うことで、危険を回避したり、減らすことが可能であるのに

環境の悪化に気づかないまま、知らないまま放置し続け、ハブを増やして、

反対に、咬まれる危険度を増してしまうかしまうかもしれません。

5回もハブに咬まれて、それでも、捕獲と飼育・研究を長年続けていくことができたのは、

ハブに対する深い愛情と、ハブ咬傷を防ぐためにそそいだ研究への情熱があったからです。

多くの人がその毒の恐ろしさから嫌い、憎む生きものであるハブを

まったく反対の愛情を持った目線からも語っていただけたことは、

子供たちの生きものに対する誤った偏見を取り除き、客観的で正確な対処をとることが可能な、

新しい未来の子供を育てるきっかけになったのではないかと思います。



そして、その理解は、自然環境の多様な生態系の保護・保全と、

真に必要な人と自然との共生ににつながると信じています。

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