「このホタルの幼虫に咬み付かれた研究者が、
”ハチに刺されたときより痛かった!”と言っているんですよ。」と、
ホタル館の展示写真を指差しながら、ガイドをすると、多くの方が、
「エ、エ~ッ!、ホタルって、咬み付くんですか?」と、聞き返し、
地味な陸生ホタルの中では、「見てみた~い!」と、興味を引く事の多い
ホタルが、この、シブイロヒゲボタルの派手な赤色の幼虫です。
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昼間、目にすることの少ないホタルの幼虫ですが、
夏休みのモニタリング調査の途中で、このホタルのランチタイムに、
ホタルにとっては迷惑かもしれなかったのですが、遭遇する事が出来ました。
「見て、見て、このミミズ、大き~い!」
「ほんとだぁ、すっご~い、これって、ヘビじゃないよね。」と、
大きなフトミミズを見つけた私が、ホタレンジャーに声をかけると
ホタルが、ミミズを餌として捕食している事を既に知っている子ども達から
「側には、ホタルの幼虫が居たりして。」「あ、確かに!」
「ジャーン、居ましたぁ~。」「エェー、まっさかぁ~!」「あっ、本当だ!」
と、大きなミミズ発見+α、咬み付くホタルを見つけて大騒ぎです。
シブイロヒゲボタル君には、申し訳ないけれど、早速みんなで、
「だぁ、だぁ、見てみよう。」と、観察、開始となりました。
このシブイロヒゲボタルの幼虫は、他の陸生ホタルの中でも、
特に目立つ、赤い色をしています。
以前は、沖縄本島のタテオビヒゲボタルと同じ種類とされていましたが、
川島逸郎さんによって、1999年に久米島の新種(固有種)として記載されました。
成虫の雄は、渋い色をしていることで名付けられたそうです。
このホタルの成虫は、11月から12月に出現し昼も夜も活動します。
そのため、刺激を受けると夜は光るのですが、光りながら飛び回ることはないため、
成虫の認知度は、ほとんど無いに等しいかもしれません。
そして、雌は、まるで幼虫の姿に戻ったかのような姿態です。
匂い(フェロモン)で雄を誘うため、雄は触覚が非常に発達しています。
夜は、匂いだけでは姿が確認できないため、光のやり取りもあると考えられています。
沖縄本島のタテオビヒゲボタルは、名前のようにタテオビ(縦帯)がはっきりしています。
幼虫は、正三角形のような黒い紋があります。もちろん、フトミミズが大好物です。
暦は冬でも、まだ十分に暖かい11月から12月にかけて、
気分は、シンとした、冬の冷たい空気を感じながら歩く、早朝の森、
大きな触覚をもたげるオスのシブイロヒゲボタルに出会った時、
”あぁ、私、あなたの事、知ってるわ”と、想えたなら、きっと、
この地味でも美しい地球の生きもの達が、とても身近になることでしょう。
そして、それを、喜びと、捉えられるなら、きっと、私たち人類の未来は、明るいと想うのです。
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