今年最後の大岳小学校のびのび教室

satou-n

2013年12月30日 11:03

昨年から、久米島ホタル館とホタルの会の出前環境学習として、

大岳小学校の幼、1,2年生の子どもたちを対象に行っている”のびのび教室”は、



学校周辺の校庭や、周辺の緑地に生息している身近な自然環境を、

ホタル館の館長と一緒に歩いて、

そこに息づく様々な生きものたちに気づいてもらう、遊び感覚いっぱいの楽しい学習です。



今年最後の”のびのび教室”は、大岳の池(学校ビオトープ)で、

水中の生きもの探しを行いました。





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「あ、来た、来たぁ~。」

ホタル館の車が、学校の門をくぐると、校庭や学校の玄関、体育館の入り口、

放課後の時を過ごす場所に散っていた子どもたちが、

歓声を上げ、手を振りながら集まってきます。

   

毎回、走り寄ってくる子どもたちの期待に満ちた笑顔は、

涙が出るほど、嬉しいものです。







大岳小学校の池は、至る所で繁殖していた外来植物や、ウシガエル、シロアゴガエルの

侵略的外来種を、ホタレンジャーと共に、清掃しながら取り除き続けてきたことで、

ビオトープ内の環境が改善され、自然に近いきれいな状況になっていました。





その成果で、なんと、自然界でも貴重な

絶滅危惧種のリュウキュウアカガエルの雄と雌が見つかりました。









以前は、とても少なかったアマミアメンボやトンボのヤゴもたくさん見つかりました。














     タイワンモノアラガイの卵

在来の生きものを見つけて、大喜びの私たちの横で、

じっとおとなしく潜んでいた大物のウシガエル(きっと、最後の一匹?)の雄を、

館長が「とったどぉ~!」と、捕まえると、大歓声が湧き上がりました。





生きもの探しを行いながら、豊かな久米島の自然を背景とした学校ビオトープが

久米島を代表する島の貴重な生きものの数少ない繁殖場所として

発展していくさまを子どもたちと一緒に見守り続けることができることはとても幸せな事です。



そして、侵略的外来種を減らして、在来種の棲みよい環境づくりを子どもたちと育てることは、

学校での自然学習・環境教育の在り方の大切さを理解してもらえる事だと考えています。



島の自然を、足元の自然を知ることは、

地球という星の中で生きていく、人間としての役割を理解する事にもつながります。

未来を担う、この笑顔に報いるように、私達大人は、本当に大切な事を、

しっかりと伝えていく努力を、忘れてはいけません。



自然を大切だと想う心は、平和を愛する心です。

沖縄の戦後は、いまだに米軍基地が、まるで人の身体に巣食う癌細胞の様に在ることで、

完治(癒えた)といえない状況です。

幸いな事に、小さな島では、米軍基地がもたらしてきた、今でも存在する

思いやり予算の下に隠された、おぞましさを肌に感じる機会はありません。  

それでも、”戦さ世” の記憶を持っているお年寄りの方々からの

”否戦”の教えは心に深く刻み込まれています。



この安らかな時を、いつまでも引き継ぎ、この島の貴重な生きもの達が、

この島の人々と共に生きていける、そのための努力を培うためには、

感性を磨き、人が生きていくための基礎として、

自然科学と環境を学ぶという事が、何よりも必要だと考えています。

大岳小学校の皆さん、今年一年、平和な時を共に過ごしてくれて、

本当に、ありがとうございました。



来年度もまた、よろしくお願いいたします。





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