11年かけて再生したホタル館のクメジマボタル

satou-n

2011年04月27日 18:19

「ホタルの居なくなったこの浦地川に、

もう一度、昔のように、クメジマボタルを、飛ばせてください!」と、

昨年先立たれた、旧具志川村の内間清六村長や役場の方々から、

願いを託されて11年目の今年、久米島ホタル館では、

久米島町教育委員会主催による、念願のホタル観察会を開催する事ができました!







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毎年、久米島町教育委員会では、久米島固有種で、沖縄県の天然記念物でもある

クメジマボタルの観察会を、町内の小中学生を対象に開催していますが、

その観察会の場所は、五枝のマツ園地でしか行なう事ができませんでした。



毎回、久米島ホタル館に集合し、主催者や関係者の開催挨拶や

クメジマボタルについての解説を行なった後に、

バスに乗って移動しなければいけなかったのです。



以前は、久米島の観光ホテルやタクシー業者の皆さんも、

クメジマボタルシーズン中の鑑賞会を、独自で行なっていて、五枝のマツ園地以外の

5~6箇所のホタルの発生場所に、観光客の皆さんを案内していました。



その当時、既にクメジマボタルは、”昔よりも少なくなっている”という事を

自覚していながらも、ホタルについてほとんど何も知らない

ダイビングインストラクター(アルバイト)が、

片手間にホタル観察会のガイドを行なっていたので

ホタルの居る場所で、車のライトを照らしたり、懐中電灯を当て続けたり、



お客さんが、ホタルを捕まえる事に注意もせず、時には捕まえて見せたりもしていました。

そうした、配慮の無い、鑑賞マナーの悪さが積み重なる事も、クメジマボタルの減少に

追い討ちをかけていたのですが、その都度、注意をしている私や館長の方が、

「困った人達だ!」と、疎ましがられる日々でした。



”クメジマボタルを再生させる為には、

川をもう少しきれいにしなければ実現しない”という

今では、誰でもうなづける事を、口に出し



”川を、もう少しきれいにする”ための具体的な行動として、

①公共事業や農地からの赤土の流出を減らす事

②生活雑排水を下水道につなぐ事

③ゴミの不法投棄をやめる事



この3つの実際の行動を、久米島ホタルの会として行なっていますが、未だに、

「ちょっと、むつかしいねぇ・・・。」「まぁ、よんなぁ、よんなぁ(ゆっくり、ゆっくり)」と、

まるで、こうしたことが、久米島町にとっては、迷惑な事の様に扱う方の声が大きく



クメジマボタルの再生が、久米島を取り巻く近海のさんご礁を蘇らせる事につながり、

持続可能な久米島町自体の母体作りとなることを、示唆しても

「そんな話は、詭弁だ!何で、ホタルのために人が難儀しないといけない!」と、

理解しようせずに人や、「環境よりも生活よ!」と、体裁の良い宣伝だけを掲げて、

実行しない人達も未だにいます。



もし、この島の将来を、自分と子どもたちの未来を、

真剣に考える事ができるなら、

”本当に困った事は何か。”に気づき、行動する事が出来るはずです。

実際、沖縄県では、ホタル館の館長の意見を取り入れ、

浦地川の上流域の土地改良区に3箇所の沈砂地を造り、



畑の周りに、赤土流出防止対策の為のブロックを設置し、

勾配を修正した斜面にも赤土が流れ出さないように石積みをする、

耕土流出防止対策事業を、4年前に行なってくれました。



その成果が、2年前から現れ始め、

今年は、とうとう、クメジマボタルの観察会を行なう事ができるまでに

クメジマボタルの再生が、現実になりました。



館長と呼ばれてはいましたが、夫には、特別な待遇は無く、

ホタルの会にも「ワーバァグゥトゥーソーン(自分勝手な事をしている)」と

受け取られ続けていたために、行政からの手当ては、昨年までありませんでした。

それでも「実際にホタルが飛んだら、解るから。」と言って、

11年間、毎年のホタル調査を続けながら、私達は、久米島で暮してきました。

”川を、もう少しきれいにする事”を、続けてきたホタル館の館長と私は、

私達家族を、久米島に呼び寄せて、11年前のこのホタル館に



”クメジマボタルをぜひ、飛ばしてほしい”と夢を語った頃の皆さんに、

もう一度、あの頃の純真で、本当に熱心な気持ちを思い出してほしいと願っています。

私達は、その時の人々の直向な気持ちに応える為、今日まで、真剣に努力してきました。



その成果は、久米島ホタル館で飛び交うクメジマボタルが、

言葉だけでなく立証できた事を、こうして、現実に伝えてくれています。



クメジマボタルは、本気で、久米島を愛する人々の想いに応えてくれます。

みなさん、久米島の自然再生を、あきらめないでください。

名実共に『ホタル飛び交う麗しの島』の実現を目指しましょう!

どうか、皆さん、よろしくお願いします。





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