今日は、昨日同様ホタル館の台風後の清掃、後かたづけ作業を行っていたのですが、
朝早くから、傷ついた鳥の保護を訴える連絡があり、
締切作業に追われながらも、現場最優先で、一日が過ぎていきました。
特にオオグンカンドリは、港の中にある、ガードレールに掴ってはいるものの、
人が近づいても逃げる事も無く、かなり消耗しきった様子でした。
そこで、ホタル館の館長は、片手にタオルを持って、オオグンカンドリの注意を惹き、
もう片方の手で、ヒョイと、抱きかかえ、素手で捕獲して段ボール箱に入れて
ホタル館に運んできたのです。
「今まで、見た事の無い珍しい鳥だよ。」と言うので、
段ボール箱の中をのぞいてみると、顔つきは、オオミズナギドリに良く似た
黒目がちの瞳をしています。
くちばしの先は、かぎ状で、咬み付かれたらひとたまりもなさそうですが、
衰弱しきった状況から、そんな気力もなさそうです。
オオグンカンドリは、世界の熱帯、亜熱帯に分布しているといわれていますが、
これまで見た事の無い、長い翼の、とても大きな鳥です。
保護の通報をしてくれたSさんは、「餌を、食べさせないといけないさぁ」
と言って、近くの釣具店にキビナゴを買いに行ってくれましたが、
沖縄県自然保護課に搬送の連絡を取り、今回は速やかに動物病院へ送る
手配が出来たので、ストレスを与えてしまう餌やりを行わずに済むため、
せっかくの好意でしたが、そのキビナゴは、同じように保護されている
アマサギたちの方の餌として、使わせていただきました。
ちょっと残念そうなSさんでしたが、野生の生きものにとっては、
人間の気遣いは、どんなに心を込めても、ストレスでしかありません。
それを、百も承知で向かい合っているのですが、生きものたちは
生きるか死ぬかという、とてもストレートな、応え方しかしないのです。
沖縄県では、今回の台風で、なんとオオグンカンドリの保護は、
3例目になるそうです。
いつもお世話になっているながみね動物病院には、
既に1羽が、治療中とのことですが、様子を見て久米島からのこの鳥も、
以前、
オオミズナギドリを送る予定だった
西表島・東海大学の海鳥研究者の元に送る事に、
沖縄県自然保護課とは連絡が付いているとの事でした。
その連絡をやり取りしながら、もう一か所、今度は、ダイサギの保護依頼があり
こちらは、左の翼が大きくねじれて出血もかなりひどい状態でしたが、
一応捕獲して、オオグンカンドリと一緒に、お昼の飛行機に乗せる事が出来ました。
昨日保護していたアマサギと、今日保護したアマサギは、
どちらも衰弱してはいますが、病院へ送るほどではなく、
餌を与える事で元気を取り戻しそうなので、
こちらは、このままホタル館で様子を見る事にしています。
台風の後は、大変ですが、傷んだ島の自然も、
こうして癒そうとする島の人々の優しさに、応えて回復してくれることでしょう。
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