梅雨の巡る季節

satou-n

2018年06月09日 17:53

今年の久米島は、おどろくほど、雨の降らないカラ梅雨になっています。



生業の大半が、農業で支えられていた昔と違い、

今の時代は、人の営みを支える生業が、多様化した社会になりました。

そのお蔭で、天候に左右される不安定さに、一喜一憂する苦労をしなくても

安心して生きていける事から、一年を巡る季節に対する感覚も、

単に過ごしやすいか、そうでないか、つまり、好きか嫌いかの対象になっているような気がします。


しかし、地球環境全体で、こうした季節の巡りを考える時、

季節ごとに起きる自然現象が、例年通りに変わりなく訪れてくれる事が、

実はどれほど、ありがたい事なのかを痛感してしまいます。


4月から5月初めにかけて、沢山の生きもの達が発生しますが、

その後の梅雨時期に雨で流されることで、ある程度の淘汰も受けます。

また、気温と湿度を高めた森では、落ち葉を分解しながら、菌糸やコケ類が広がり、

樹木を成長させるネットワークが、森にしたためられた水の浄化を促します。


現代の私たちには、季節ごとに巡る現象が、例年通りではなくとも、

気にすることなく過ごせる社会環境を構築してきましたが、

その異変は、生きもの達には、生死にかかわる出来事であり、

地球全体の気候変動の証として、確実に私たち人間への警告だと捉える事は重要です。


過ごしにくい季節を、常時、快適に過ごすことが出来るようになった現代は、

今よりも不便だった時代に比べると、

季節をやり過ごす工夫や、暮らしを彩る生き方が、下手になってしまいました。



それでも、自然に触れる機会を増やし、その在り方に理解を深めていくことで、

季節を巡る様々な現象を、好きと嫌いではなく、

奥深い意識で受け止め、賢く生きることが出来ると、私は、想うのです。

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