トラップ!(罠)
夏が到来すると、久米島の自然度の高い森や林の中に
ストッキングネットのクワガタムシトラップが、たくさんぶら下げられていました。
去年も今年も、一ヵ所に約20ほどのトラップを、数カ所にわたって確認。
仕掛けた本人に回収を呼びかけ、撤去してもらいました。
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仕掛けられたトラップには、大小様々な甲虫や蛾がたくさん集まって来ます。
仕掛けた目的以外の昆虫のほとんどは、
引き寄せられたストッキングネットに絡まれば、そのまま息絶えます。
何とかふりほどいて逃げることができても、隠れる場所の少ない生息環境に
おびき寄せられただけなので、漁夫の利の捕食者や、
にわか販売業者にも狙われやすくなります。
もちろん、価値無しと判断された昆虫は道路の周辺に捨てられます。
トラップは、道路からすぐ近くの木に仕掛けられることがほとんどです。
理由は、ハブに遭遇するリスクが少ないことと、
車を利用しての高回収能率と逃走目的のためです。
それにより、捕食者も含め引き寄せられた生きものたちが、
車に轢かれる頻度が半端ではありません。
一夏に仕掛けられるたくさんのトラップ、
トラップに引き寄せられる昆虫達の一生はここで終わってしまう可能性があります。
中には、繁殖できずに、その数を減らす昆虫さえいるのではないかと、心配になります。
商売人のトラップを軽蔑するように
昆虫マニアだと豪語する人の中には、大きさだけで価値判断し、目的以外の生きものを、
捕獲していかないことに、美徳を感じていますが、その行為自体が、
生きものそのものを、ないがしろにしていることには、気づいていません。
トラップとは、罠のことです。
罠の種類や仕掛け方、その目的にもよりますが、
罠を仕掛けることで、生きものたちの世界にどういう影響が及ぶのかということ
その罠によって、安易に手に入れた生きものたちのその大切な小さな命を、
自然からの宝物として、本当に子ども達に伝えることができるのかということ
今一度、幻想ではない現実を、環境を考える方々にしっかりと見据えてほしいのです。
観察会の森で、子ども達と一緒にカブトムシの好きな木を蹴り上げて、
捕まえたクメジマカブトムシは、吹き出してしまうくらい、小さかったのだけれど、
この子達にとっては、一生に一度の大切な、大切な想いでのカブトムシとなりました。
この島は、意外かもしれませんが、恵まれた自然環境は、わずかしか残されていません。
けれども、その自然を、むさぼるのではない方法で、
次の世代へと伝えてゆかなくてはいけないと、深く考え行動しているのです。
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