「お久しぶりです。」と、声を交わすだけで、自然に笑顔がこぼれます。
3年前のカンジンダム水路の草刈りも、泥上げ作業も、
言葉に言い表せないほど、また、現在とは比較にならないほど大変でした。
今、思い起こしてみれば、その大変な作業を、切り開いてくれたのは、
グローバルスポーツの幹部の皆さん方でした。
本当に、改めて、ありがとうございました。
その当時、作って頂いた看板には、
カンジンダムでボランティアを行うグローバルスポーツの意義を
加藤顧問の温かな言葉で綴って頂いていました。
その看板は、雨に打たれ、風に吹かれ、夏の暑さにも
耐えてきましたが、最近では、手書きで書かれた文字が薄くなり、
気にはなっていたのですが、書いて頂いた文書の上書きを行うのは、
どうしても気が咎めてしまうので、そのままにしていたのです。
今回、その看板を書いてくださった加藤顧問は、直ぐにその状況に気づき
そっと、カンジンダムのフェンスから外して、研修生の皆さんに
向けて見せながら、当時の気持ちを話して聞かせてくださいました。
そして「この看板は、一旦持ち帰って、きれいに修復してきましょうね。」と
私に向かってやさしく微笑んでくださいました。
その細やかな心遣いにも、本当に感謝の気持ちしかありません。
カンジンダムの草刈りや泥上げを、手作業で行う理由は明確です。
上流の集落から流れてくる生活雑排水や、
農耕地から流出した大量の土砂・赤土、栄養たっぷりの排水・泥、
それらに根を張り、ものすごい早さで繁殖する外来動植物を取り除き、
その多くが絶滅危惧種である在来の生きもの達を可能な限り残存させながら、
最終的にダム湖に流れ込む水をそれらの生きもの達の食物連鎖で分解し、
きれいにするという目的のために、
この場所にいる生きもの達への最大限の配慮を行いながら
管理しなければいけないからです。
「このダムの広々とした湖面を見たら、誰でも心が癒されるさぁ、
そういう人たちのためには、もっと、人が入りやすいように
草刈りをしたり、花を植えたりしてほしいのに、
あんた達が、生きものの事ばかり考えて、人を入れないから困るさぁ。」と
仰る人達がいますが、私たちも、満々と水を湛えた風景に心を癒されます。
でも、私たちは、その人の心を癒すダム湖の水をきれいにしてくれているのが、
小さな生きものたちだという実態を科学的に学び理解しています。
そして、そうした生きものたちに対する率直な感動を、感謝として捉え
その生きものたちと上手に付き合ってきた私たち祖先への尊敬の念は、
ゆらぎない誇りとして、育まれているのです。
在来の生きものや植物を蔑にしていた時代に出来るだけ早く決別し、
久米島町から派生して、生きもののつながりを大切にした自然浄化システムを
持続的に管理する事の方が、地球環境的にも大変重要です。
生きもの達を一掃してしまうような方法を取らずに、
むしろ、居なくなった生きものたちを再生させる事も視野に入れて、
時間をかけながら丁寧に、管理作業を行う事を実践しているのです。
一見、きれいに見える湖でも、その水が腐って汚い水になってしまったら、
いったい誰が憩えるのでしょうか・・・?
そして、肝心要の農業用水としての利用は、
いったいどうなるのでしょうか・・?。 そして、いったい誰が元に戻してくれるのでしょうか・・?。
グローバルスポーツの皆さんは、こうした私たちの考え方に
驚くほど率直な理解を示し、社会貢献、企業理念を軸にして、
これまでの3年間に、多額の予算をかけて久米島へ来てくれています。
このまぎれもない事実を、この大きな久米島町への貢献を、
私は、ぜひ、久米島の皆さんに知って頂き、そして願わくば、
作業への参加、協力、応援をして頂きたいと想います。
次回のカンジンボランティア研修作業は、9月18日(火)午後1時~3時
9月19日(水)午前10時30分~午後3時を予定しています。
平日に無理な呼びかけだとは想いますが、ぜひ、来てみてください。
久米島のために、泥にまみれ、汗を流してくださる
てもみんの皆さんの雄姿から、私たち島に暮らす一人一人は、
久米島への明るい希望を、必ず受け取る事が出来ると信じています。
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