宮崎県立門川高校からの便り

satou-n

2018年01月16日 17:38

年が明け、新しい年のスタートに切り替え始めたころ、
昨年、久米島ホタル館に、生徒さんとご一緒に来館された宮崎県立門川高校の先生から、
学校の農産物即売会で販売されたという、果物のジャムが届きました。



一緒に添えられた手紙には、心のこもったお礼の言葉を、
目を見張るほど美しいご自慢のゲンジボタルとヒメボタルの写真が彩っていました。



一昔前のゲンジボタルを取り巻く、地域や学校での活動は、
お便りをいただいた門川高校の取り組みの様に、ホタルの生態研究や増殖が主流でしたが、
現代は、本来の目的でもある、ホタルの生息する環境そのものの重要性に立ち返る時代になり、
先生は、これまで進めてきた学校の取り組みを、更に発展させたいという意欲を抱いて、
久米島ホタレンジャーが、ホタルを守るために基本として取り組んでいる
自然再生活動を知りたいと、来館されたのです。

クメジマボタルは、久米島という島の成り立ちと共に現在まで奇跡的にこの島だけで命をつなぎ、
久米島の人々の暮らしの傍らで、時に賑やかな遊び相手となり、
時に静かに辛さや悲しみを癒すランドマークのように
一年に一度の季節に現れながら、この島の人々に寄り添ってきた存在だと考えています。

沖縄の暮らしの中に、こうした島の固有の生きもの達は、当たり前のように存在してきました。
声に出して、大切だと言わなくても、私たちのidentity(アイデンティティー)には、
間違いなく、沖縄の生きもの達の存在が必然として織り込まれています。

私は、門川高校の「ホタルの舞う高校」を目指す取り組みを、読み進めながら、
ホタルを守るための方法は異なるとしても、足元の自然を愛でる地道な活動が、
本物の地域力を育てるという教育的意義に共感しています。

これまでの年月、久米島ホタル館でも、ホタレンジャーの子どもたちを中心に、
小、中、高校の課外授業や、イベント、インターンシップ等を様々な視点で活用し、
クメジマボタルを取り巻く久米島の自然の魅力と痛みを理解する地道な活動で、
揺るぎの無い素直な地域愛を育んでいます。

残念ながら、久米島が目指している優先順位からは、そうした活動が、後者にされていますが、
これからの未来社会では、実は、本来在るべき自然環境を、出来る限り多く残されている事で、
自然遺産としてはもちろん、様々な自然資源、自然体験による情操教育の発展など、
地域の豊かな未来を生み出すキーワードになる事が、急速に深まり広がっています。



頂いた3種類のジャムを眺めながら、
門川高校の「ホタルの舞う高校」を目指す想いに励まされ、
非力で、微力、しかし無力ではない力を振り絞って、今年もがんばろうという気持ちになりました。
先生、生徒さん、とても素敵な送り物、本当にありがとうございました。
ホタレンジャーやスタッフと一緒に、美味しく、頂きたいと思います。


久米島ホタルの会体験プログラム






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