2008年04月29日

キクザトサワヘビ

4月のホタル館は、一年で一番忙しい時期だといえます。

それは、もちろん、クメジマボタルが出現する季節ですから

当然なのですが、今年は、そのクメジマボタルと同じように、

この島だけに唯一生息しているキクザトサワヘビが、

なんと、TVの取材中に保護されるというハプニングがあったのです。

そのため、環境省の保護官に急遽、来ていただいて、放流するという

本当に、慌しくって、そして信じられないくらい充実した一日を、

過ごすことが出来ました。



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久米島の固有種キクザトサワヘビは、沖縄県指定の天然記念物であり、

「種の保存法」という国の法律によって、

生息地の良好な保全と保護のために3名の巡視員が雇われ、

生育地保護区(保護区600ha:管理区域255ha:監視区域345ha)として設けられた

宇江城岳(309.5m)から大岳(230.8m)周辺の

山塊(11の小河川の源流域がある)と、大中河川である白瀬川(5.3km)や

浦地川(4km)の上流から源流にかけての流域が、厳重に監視されています。




現在、その保護区の狭さや劣化、生息地の森や流域の喪失、畜産排水や生活排水汚染、

流域への大量の赤土の堆積、そして、ウシガエル(外来種)やノネコ(ペット)による捕食や密猟など

キクザトサワヘビの保護を巡る問題は、山積していて、そしてその解決は、

本当に緊急を要する、久米島だけの問題とはいえないほど、

深刻な状況だといえます。久米島ホタルの会から出された、キクザトサワヘビ学習会用の

パンフレットは、上記の内容でサワヘビの危機について、強く訴えかけます。

キクザトサワヘビとは、普通のヘビとは違って、

渓流の淡水に生息しているヘビです。



私達人間が、この地球で暮らすために、水は、無くてはならない存在なのですが、

この小さな南の島では、クメジマボタルといい、このサワヘビといい、

そして、サワヘビが餌とするサワガニも、島の固有種であり、

久米島は、水に依存する生きものの宝庫のような気がします。



私達人間は、自然界にある様々なものを利用して、使うことに秀でた存在ですが、

その使い切った後の処理を、もう、随分長い間、生きもの達に背負わせてきました。

その負担は、想像を絶するほどの過酷で、残酷な現象を引き起こし、

多くの犠牲を強いてきたのだと想います。

パンフレットには、「この小さな島、久米島は、琉球列島の島々の中で、

他に類を見ない特異な生きものが存在します。それが、キクザトサワヘビです。

キクザトサワヘビを生き残らせた島、久米島は、多数の固有種を育くみ、

固有の自然生態系を育んだ、生命の多様性に富む独自の島です。

そして、先史、有史を通し、琉球王朝時代、近世に至るまで、人と自然が長く共生し、

歴史的にも民俗的にも注目される独自の文化を育んできた非常に興味深い島です。」

と、人とサワヘビの共生の様子を簡潔にまとめてあります。

クメジマボタルやキクザトサワヘビは、ともに発見と同時に危機的な状況に

遭遇していきます。キクザトサワヘビは、1956年に発見され、1958年に記載されました。

発見されてから、今日に至るキクザトサワヘビ歴史は、危機的状況の連続だったと思います。

クメジマボタルも、発見当時(1993年)は、最後の大発生地(数千匹が舞っていた)である場所で、

発見からわずか2年で生息地が赤土流出のダメージを受けるとは、

当時の発見者や調査者の誰一人も予想していなかったでしょう。

そのことに想いを馳せる時、

サワヘビを、現在よりも、はるかに大切にできるであろう時代の、

未来の子ども達や大人達のために、島の多くの生きものたちと共に、

未来にまで生き残らせたいと強く思って活動しています。



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