2008年04月24日

ホタルの会の田植え

予定よりも一月近く、遅れてしまいましたが、

ホタルの会が、借り受けた田んぼに、

久米島でも初めてのタイ米の稲を植え付ける作業が、やっと終わりました。

約500坪ほどの借り田には、ホタレンジャーのこども達や

お父さん達が、今でもこの久米島で、米作りをされている

仲地の農家さんから教えてもらいながら植えた稲が、

優しい風を受けて、そよいでいます。
 


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ホタルの会では、久米島の自然環境の再生を常に考えています。

でもそれは、一部の人々の誤解である、

ホタルやそれらを取り巻く、生きもののためだけを、考えているのではありません。

人間が、本当の意味で豊かに暮らすためには、

同じ生きものとして、自然との共存が不可欠だと考えているからなのです。



この小さな南の島が、宝石のようにきらめいていた時代の背景には、

どの島人の言葉からも、間違いなく、田んぼの暮らしが存在していました。

もちろん、その暮らしには、大変な重労働を強いられた憤りも張り付いているため

「もう、二度と、米は作りたくない!」という言葉は、素直な感想だと想います。



それでも、「島全部が、田んぼだったときは、海も森も、それゃぁ~、きれいだったさぁ~。」

と、つぶやく瞳には、久米島で生まれ育った人々の、

ここだけにしか存在しない唯一無二の誇りと気高さを、強く感じるのです。



その、久米島という島の人々が持っている本質、かつての田園風景に、

ホタルの会は、自然環境再生への活路の一つを見出しています。

田んぼは、その水を貯めて、土を流さない構造から

現在、様々な自然環境への負担の要因と考えられる

農地からの赤土の流出を、防止する効果に期待ができます。



その上、作物を育てる農業の基本として、日本人が主食として用いてきた

お米を作り出すという喜びにあふれていることにも、大きな魅力を感じます。

田植えを始めて3日目の午後、左手に持った稲の束を、ほぐしながら3~5本の稲を、

田の泥の中に差し込む、仲地の農家さんの、一連の熟練した動作を、

見よう見まねで、進めているうちに、いつの間にか私は、

田んぼの真ん中に来ていました。



中腰の姿勢で、泥に足をとられまいと、踏ん張りながら植えた稲は、

整然としているとは、とてもいえないのですが、精一杯の努力に報いるように

鉛色の無機質な泥の田を、

生き生きとしたミントグリーンの絨毯に塗り替えてくれます。

その命の輝きは、腰の痛みと共に、遠くで聞こえるウグイスのさえずりや

ひらひらと目の前を飛び交うイシガケチョウの翅の美しさを取り込んで、

時を止めた自然との一体感を、満喫させてくれました。



そして、足を浸した田んぼの中で、田植えをしている私達は、

同じような苦労を共有しあうことで、相手を思いやる労りを育むこともできます。

「だぁー、佐藤さん、ここからは、僕がやるから、あんたは、上がりなさい。」

そう言って、植えつくされて狭くなった田んぼに残る役を引き受けてくれたり、

足りなくなった苗を取りにいく、私の手間を省くために、

先回りして、何度も苗を田に投げ入れてくれたりしてくれる農家の方の無言の動作には、

共同作業の本質であるユイマール精神(助け合い)が、昔ながらにそのまま宿っていて

本当に、優しい気持ちになります。



農作業は、スポーツで体を酷使するよりも遥かに体が、痛みます。

同じ姿勢で、単純な動きを、それこそ長い長い時間、続けなければいけないのは、

まるで、大切な時間を失ってしまうかのような焦りを感じるかもしれません。

でも、私は、この地球の大地の片隅を、私達人間のために畑や田んぼとして

使っている事実に、こうして私自身の手足を使い、体の疲労を感じることで

少しでも、報いているような気がするのです。


   テレビ取材もありました

その清清しさは、こうした疲労を、不思議なくらい喜びと感謝に変え

明日を繰り返す力の源になってゆくのです。

この稲は、カンジン棚田や、次回の本格的な植え付け用の種用として

7月ごろに刈り取りを行う予定です。

この小さな南の島の、いざというときのために、昔から引き継がれてきた

米作りを、私達世代や、その下の世代が、しっかりと受け止めていくことは、

今後の地球環境で、安全な食料自給率を考える時、必ず必要になるでしょう。

そして、その食料をまかなうためには、

自然との共有を、真剣に取り組むことから逃げてはいけないと考えています。

今は小さな一歩かもしれませんが、この小さな取り組みを大切にしてゆくことが

安易な暮らしを、幸せへの近道と誤解してきた時代の反省となり、

まったく新たな視点から、この島の再生が始まることを信じています。



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