2008年02月17日

サシバの放鳥

久しぶりの太陽の光が、野外に満ち溢れ

北風の冷たさが、一段と清清しく感じます。

今日は、3日前に保護して、信じられないくらい元気になったサシバを

ホタル館の草地から空に向かって、無事に放鳥することができました。

上昇気流に乗って、無き交わす仲間たちの声を聞いて、

狭いゲージの中を暴れまわる猛禽の鳥は、

3日前までのうつろな瞳をした、かわいそうな風情は、すっかり消えうせて

威嚇のために開いた嘴は、すっかり凄みを増していました。

サシバの放鳥

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サシバの放鳥

このサシバを捕獲して、町の環境保全課に連絡したおじいちゃんは

島尻のトクジム海岸の近くで、近寄っても飛び立つことができなかったと言います。

環境保全課から連絡を受けて、おじいちゃんのサトウキビ畑に着くと、

片足を紐でくくられたサシバは、羽が折れている様子も無く、外傷や打撲も見られません。

サシバの放鳥

近寄ると、多少羽をばたつかせはするものの、目には、生気が無く

とても疲れている様子です。

ここ10日ほど、サシバの渡りが頻繁に目撃されていました。

どうやら、宮古島を経由して?渡りをする途中、体力を消耗して海岸で動けなくなっていた?

ところを、おじいちゃんに助けられたのでしょう。

あと、数日、いいえ、数時間遅ければ、たぶんこうして

再び、大空に舞い上がることはできなかったかもしれません。

兎にも角にも、おじいちゃんには、大感謝です!

サシバの放鳥


保護した生きものたちに餌を与えるのは、とても大変な仕事です。

それは、助けたい側の問題よりも、助けられる側の生きものたちが

人間から受けるストレスに耐えられるかに懸かっています。

運のいいことに、このサシバは、口元に持っていった鳥の切り身に、

パクッと、食いついてくれました。

サシバの放鳥

「うぉ~、珍しい~。」「これなら、大丈夫かもしれないね。」

そう、「~かもしれない」のです。

この手を離れるその瞬間まで、予測がつかないのが

野生の生きもの達ですから、“油断は禁物!”それでも、幸先の良いスタートでした。

餌を与えた後、サシバを保温するために段ボール箱に入れて、ライトで暖めていたのですが、

翌朝には、夢から覚めたような顔をしたサシバが、

そこから抜け出し、周りを糞だらけにして、箱の上にとまっていました。

直ぐに暴れて部屋の中を飛び回るかとも思ったのですが、

案外おとなしく、この日も、ピンセットで口の中に餌をくわえさせると

ゴクンと、飲み込んでくれました。

サシバの放鳥

使っていた段ボール箱は、小さいので、

折りたたみのドックゲージに即席の止まり木を、急いでこしらえた後、

暴れないように布を上からかぶせて捕まえ、その中に入れました。

ちょっと、居心地が悪そうでしたが、止まり木にとまった様は、

いくらかマシに見えます。

その翌日からは、ぼんやりしていた瞳には、益々生気がみなぎり

私が近寄る気配で、大きな翼を広げて威嚇のポーズをとる様になりました。

サシバの放鳥

外では、「早くおいでよ!」と、誘うように仲間のサシバが鳴いています。

そして、今日、午前中の明るい日差しに向かって、サシバを軽く放ると

サシバの放鳥

程よい加減の鳥の重さが、風にすりかわったように鮮やかに

私の手元から飛び立ってゆきました。

サシバの放鳥

その後、しばらくは、ホタル館の周りの木立の中で

「ツ、ピィー」と、よく通る声が近くに聞こえていましたが、やがて、遠くなり

後には、空っぽになったゲージが、残されるだけになりました。

日が陰ると、少しだけ淋しさが忍び寄りますが、

明日からのサシバの声は、今まで以上に楽しみになることでしょう。

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