2008年01月24日

奇跡の星・アースを観て

先週夕方、エビ養殖場の駐車場に止めた車の上で、ミサゴを保護したと、連絡があり、

社長自ら、その鳥を大きな段ボールに入れて、ホタル館に運んでくれました。

久米島の大海原を悠々と滑空し、魚を捕食する大型の猛禽類として、私が見知っていたミサゴは、

そのガッチリとして青みがかった大きな爪を、ツルツルのダンボールの底に踏ん張って

右の翼から血を流し、今にも倒れそうなくらいやせ細っていました。



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直ぐに獣医師へ連絡を取り、強制給餌でキビナゴを与え、

翌朝一番の船で沖縄本島へ運ぶことにしました。



船に乗せるために足場のないドックゲージに入れたミサゴは、

不安そうな表情をしていましたが、前日に与えた餌を吐くこともなく

なんとか無事に長嶺動物病院へ届けることが出来ました。



手馴れた獣医師達の手当てを受け、餌を与えられたミサゴの姿を

目の当たりにするのは、なんともいえない安堵感でしたし、

“生きもの達の命を救いたい”という同じ志に溢れた

若く優秀な獣医師達と交わす会話には、心が弾みます。

一安心できた翌日には、念願の映画「アース」を家族みんなで観ることができました。


 NAHA MAIN PLACE CINEMAS Q の チケット売り場に貼られていた紹介です。
地球って スゲェ!!という文が印象的です。


寒いと感じる日のほとんどない冬を迎えた今年の沖縄で、

画面いっぱいの白銀の世界に暮らす白熊の親子が、登場します。

どこまでも続く白い雪と氷に抱かれる白い動物、その色は、

彼女の生まれた場所そのものが、変えがたく生を営む場所だということを

改めて実感させてくれます。

そして、小熊たちや他の動物たちの、愛らしさや荘厳さの中に潜む飢えは、

予想をはるかに超えて、映像の美しさを切なさに変え、

胸の奥を耐え難いほどにキリキリと痛めます。



“46億歳の地球”

気がつけば、隣の席の息子は、食い入るように身を乗り出して、

獣の吐き出す白い息に、弾ける水のしぶきに、微細な大地の土に、

自分自身が存在する地球の鼓動を投影しているように、感じているようでした。

彼の瞳にくるくると映し出される光の映像は、

かつての私が、『野生の王国』というTV番組によって影響を受けたように

壮大な自然の美しさと、厳しさを取り込みながら

生命を育んでいる野生の生きもの達の魅力を次々に繰り出してゆきます。



こうして、スクリーンに映し出される、行ったことも見たこともない地球の自然の姿が、

現実に存在することを、当然だと信じて疑うことなく過ごしていた時代は、

ある意味、幸せだったといえるかもしれません。

ふっと、思い出したのは、1970年頃に観た『ソイレント・グリーン』というSF映画でした。

それは、地球上の人口が爆発的に増加し、

食べ物と住む場所を失った人類の悲劇をモチーフにしていました。

主人公の友人である老人が、自ら死を選択する報いに得るのは、

地球の四季の移り変わりと、絶滅してしまった動物たちの姿を映した映像です。



その映像は、映画の中の殺伐とした風景の中で、唯一美しく、心癒される場面であり

BGMで流れるベートーベンの交響曲第6番『田園』は、

その失ってしまった自然のあまりにも大きな存在が、

老人の安らかな呼吸のやがて静寂に包まれる瞬間に集約されていることを

五感に強く訴えるように、やさしく強く、そして切なく、流れていました。

この映画を見ていた頃は、「あー、これが映画でよかった!」と、気楽なものでしたが、

今では、その映画に織り込まれていたシナリオが、

私の踏みしめている大地に、間違いなく紛れ込んでいるのです。

現実は、多分、今、ここで、こうしている間にも、泳ぎ疲れたホッキョクグマが、

棲む森を失った生きものたちが、その生を全うすることなく横たわっていることでしょう。

その事実は、もちろん言葉を場を持たない生きものだけではないことを

そこから目を背けることが、私たちの地球を、失ってしまうことになることを

この重く圧し掛かる現実を知ってから、

確かに私の日々は、あの頃のように、気楽では無くなったかもしれません。

けれども、疑問を持つことなく生きることを強いられ、閉ざされた思考の概念からは、

清清しいほどに解き放たれることができました。

そして何よりも、物事を深く捉えることからしか得られない、

心を震わせるほどの感動に、毎日が彩られる幸せは、

生きている実感と、生きる力の源になります。



「アース」は、その比類ない映像の力で、地球に生きる全ての生命が、

みな等しく大切な存在であることを、私たちに確実に気づかせてくれます。

そして、そこから芽生える偏見のない人間の純粋な想いは、

ただひたすらに、“私たちの地球を守りたい ”と願う、確かな原動力となります。

昔に観た、『ソイレントグリーン』という映画のワンシーンを

『アース』に重ねながらも、今の私は、もっと逞しくなっています。

そして、それは、傍らにいる子供たちや、

多くの人々に共通する未来への希望なのです。

映画という手法が、娯楽だけではないことに感謝し

「まだ、遅くはない。」というメッセージを受け取るために

沢山の人々に観てほしい、優れた映画だと想いました。



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この記事へのコメント
この映画 絶対に見たいです

ミサゴを
持ち込まれた病院 ボクもよく持ち込みます
Posted by he5 at 2008年01月29日 02:05
he5さん、コメントありがとうございます。

反応がとても嬉しいです、ぜひ、観てきてください!

he5さんは、ブログに登場しているインコ達のケアに
長嶺動物病院に行かれるのですか?
あの病院は、本当に理想的な動物病院だと思います。
現在、ホタル館には、水鳥のバンが、保護されていて、
その相談やミサゴの情況を聞くために、病院に連絡したところです。

ミサゴは、元気にしているようですが、傷ついた羽の筋肉が一部欠損していることや、自力では、まだ餌を食べていないことなど、治療には、まだ時間がかかることを教えていただきました。

長嶺動物病院以外に、那覇獣医科病院にもチュウサギが、お世話になっているのですが、その費用は、全て獣医さんが負担してくれています。
私たちの暮らしの様々なところで、こうした善意が、社会を支えているのだということを、私たちは、素直に受け取り、そのことを励みとして、自分自身の生き方を見つめていけたら、いいなぁと思います。
Posted by satou-n at 2008年01月29日 13:10
ペットのインコ達 あとは野鳥が好きでキョロキョロして歩くので

よく怪我してるのを拾います


僕個人も元気が無い時は お世話になります(笑)


映画だれか連れていき 何回か見たいです
Posted by へご at 2008年01月30日 00:01
へごさん、お返事ありがとうございます。

生きものに良いドクターは、人にも、当然、良いドクターですね。
それとも、かわいい、看護士さんの方なのかな。(笑)

良い映画は、本当に良い教師のような存在だと思うので、
映画を観る機会を惜しまずに、ぜひ、楽しんできてくださいね。
Posted by satou-n at 2008年01月31日 10:00
ブログへのコメントありがとうございました。
充実したブログに感銘しました。
また伺います。

ミサゴくん、良かったですね。
Posted by gadogadojpgadogadojp at 2008年04月10日 21:57
gadogadojpさん、コメントをありがとうございます。

昔、SF映画を見ていたときは、今の現実を「あー、よかった!」と
ホッとしたものですが、最近、見直してみると、
不安な想いに拍車のかかる現実感があります。

以前は、憂鬱に思えたこの感覚を、母になった今は、
こうした不安を無くすために、心を奮い立たせることができます。

現実は、厳しいもので、先日、獣医さんからの電話で、元気にしていたこのミサゴが、突然、遥かな場所に飛び立ってしまったことを告げられました。

本当に、現実は、厳しいものです。
そして、時は、躊躇する間も与えずに、確実に時を刻んでゆくのです。
こうした想いを、いっぱいいっぱい抱えながら、
それでも、私たちは、より良い未来を望んで、少しずつ少しずつ
生を重ね、幸せの時を、育んでゆくのだと想います。

ミサゴへのやさしい想いを、本当に、ありがとうございました。
Posted by satou-n at 2008年04月12日 09:28
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